料理ネタ


2006年5月

5月3日(水)

・焼き鳥屋で、いろいろと

この日記を書き始めて以来、初めて空白期間を作ってしまった。そのあいだ、今日から開催される展示の準備のために、暗黒で濃密な時間を過ごしていた。体調はよろしくないわ、展示のコンテンツ作成に四苦八苦するわ、追い討ちをかけるかのように機械のトラブルに見舞われて苦渋の選択を迫られるわ、などなど、日記を書く余力が全く沸いてこない日々だった。それだけひとつのことに集中していたとも言えるのかもしれないが、夕食も菓子パンで済ませるときもあったり、思い起こしても泣けてくる日々。。

でもね、なんだかんだいって、昨日の内覧会までにはなんとか間に合った。同行者のサポートあってのこと、ありがとう。内覧会では、岡崎乾二郎さんが見に来てくださり、非常に有益なコメント(←リップサービスで書いているのではなく、まさに文字通りの有益なコメント)をいただいた。うれしい宿題がたくさん出された感じ。岡崎さんは、現代美術の担い手であり、優れた批評活動もおこなっている。メディアでしかお目にかかったことのなかった方だったので、予想外のことにこちらが舞い上がってしまった。

私自身今回フィールドワーク中のため、現場で解説できないのが心残り。地味な見かけと内容だから、きっと素通りしていく人がほとんどだろうと思う。けど、一握りの人々でいいから、見てくれた人の心に深く残るものになっていればいいなと思う。あ、そんなふうに書くと、楽しくなさそうなイメージがついちゃうな。全体の雰囲気は、全然違うんですよ。親子で楽しめる展示が中心に据えられているから、ぜひお台場の科学未来館まで足を伸ばしてください。7日までやっています。

昨日はひさびさに、さきがけのメンバーと再会して、楽しかった。あっさりとしていながら自己主張もしっかりする人々の集まりなので、話してて楽なこと、楽なこと。分野はちがえど、同じようにがんばっている人々がいると思うだけで、パワーをもらえる。さきがけ"なでしこ"キャンペーンのことも話題になった。おほほ、これからはみなさん、私のことを「なでしこ」って呼んでね。

演劇の稽古も、ようやく昨日から本格的に再始動となった。舞台セット作りの作業やら、体調不良者が出たために、25日以降、演出家つきの稽古が取りやめになっていたのだった。今日はひさびさに稽古場に行ったのだが、機械の取り扱いのケアレスミスをやってしまった。あいだが開くと、すぐ勘どころを忘れてしまう。なんだか今日はリハビリしている感じだった。ふたたび、気を引き締めて取り組まなくては。

稽古終了後、俳優さんや劇場の制作の方と先週の金曜にも行った焼き鳥屋で遅めの夕食をとった。ホッピっておいしいんだ!
5月4日(木)

・野菜ジュース
・トマトとゆで卵とポテトサラダ入りサンドイッチ

機械の微妙なトラブルが発生したが、この日の稽古自体はつつがなく終了し、劇場の方が差し入れてくださった手作りサンドイッチで軽めの夕食をとった。あともう少しで本番を迎える。場のテンションも上がってきたことを感じながら、記録をとっていった。

そういえば、今日になって、昨日は同じ劇場の別のホールで、ML上で知っている伊藤哲司先生(ベトナムにとても詳しい心理学者)も登場するイベント(報道カメラマン・石川文洋さんの講演とフォーク歌手・たかはしべんさんのミニコンサート)があったことを知った。いずれにせよ稽古が入っていて、見にいくことはできなかったのだが、ご挨拶ぐらいはできたろうに。。

長崎入りしている夫から連絡が入った。近い将来、長崎の母(夫の実母)を奈良に迎えることになりそうだ。四捨五入すれば80歳になる高齢で、私たちの傍にいたいという希望を持っている。健康でぴんぴんしている状態ではないので、どこに住んでもらうかなど、プライベートでは、しばらくこの問題に取り組むことになる。ことさら悲劇的に扱うべき問題でもなければ、適当に済ませられる問題でもない。

もう私は若くはないのだ。人生の新しいフェーズに入ったのだ。なぜか、透明な気分になり、淡々とした感慨にふけっている。
5月5日(金)

・焼き鳥屋でいろいろと

第2回目の通し稽古がおこなわれた。そのあと、劇場の最寄り駅近くにある焼き鳥屋に行った。これで3回目。私はもう常連気取りである(笑)。ホッピの作り方も人に説明できるようになったぞ。劇団員の方たちとお話するのは本当に好き。言い訳のきかないぎりぎりのところでものを作っている人たちなので、かえってどこか余裕があるし、すがすがしい。

1日おきに実家に電話して、息子の声を聞いている。今日かけたら、たまたま実家に帰ってきている幼馴染のKちゃんが筍といっしょにわざわざ息子にプレゼントも持ってきてくれたというではないか。さんきゅ。Kちゃんとは1歳違いで、子どもも偶然1歳違いで生まれた。お互いの子どもが生まれたての頃それぞれ会ったきりで、その後、会おう、会おうといってなかなか実現していない。

電話口の息子の声は、いつものようにとっても元気だった。「観覧車のったのお、すっごーい高いのおー、おかあさんがんばって、ゆうくんは楽しい、ばいばい、まったねー」。なんと、現金で健気な子どもなんだろう。4月19日に一緒に旅館に泊まった際、別れ際にはあんなに切ない顔をしたのに、本人はその晩から嘘のように元気復活したらしい。私のほうは、しばらくセンチメンタルな気分にひたっていたのになあ。

最近では、保育園に行きたくない、岡山がいいと強く主張しているとのこと。ちょうど父がこの3月で退職したこともあり、息子にとって岡山の生活は、一日中遊び相手がいる、思いっきり暴れまわれる環境となっている。ひっきりなしに外でも中でも運き回っているせいか、4月頭にはぽっこりしていたお腹が引き締まって、がっしりとした体型になっているそうだ。奈良の生活は、家でも保育園でも、運動不足気味なんだと思う。

連れ帰るとき大泣きするんじゃないか、保育園に再び通うようになったとき駄々をこねるんじゃないか、などなど別種の心配ごとが出てきた。さすがにこれは自分でも、悩みの部類としては、贅沢なものに入るだろうという自覚はある。 
5月6日(土)

・居酒屋でいろいろと

いつも遅くまで稽古をやっているということで、今日は異例に6時ごろ稽古が終わった。ちょっと休みなはれということらしい。ちょうどゴールデンウィーク休みを利用して、同行者のフィアンセも埼玉入りしたので、私も入れて3人で飲みにいった。(←決して、おじゃま虫じゃないやい!)

同行者よりもまえにフィアンセのYちゃんと知り合いだったので、とっても話がはずんだ。本当に、ラブラブ。いま、食欲(食育?)を中心にした人生の組み立て方をしている自分を反省。私もちゃんと自分の欲望について正直にならないとなあと思ったのだった。

思い返してみるに、平田オリザさんの作品には、直接的に性欲は描かれない。私はそれに安心している。自分の性欲に向き合うことは、簡単なようでいて、とても難しい。実在にせよ仮想にせよ、相手(人間・他者)が必要であるからだ。やっかいなことに、中途半端に浮気をしたからといって解決するものでもなければ、「夫で満足してます」という余り品のない言い方もできない。ようは、実存の問題というか、生きている限り満ち足りることのない事柄であるからだ。お互い、一生かけても相手に「満足」することはないけど、でも決して「不満」なわけではない、必要であることは確かな、微妙な心もち。だからこそ一生かけて独自の関係性を築いていきたいのだ。まあ、食欲も似ているといえばいえるけど、直接的な相手が食材なのと人間なのとでは、全然違う。

Yちゃんの正直パワーはすごいな。私は何を虚飾して生きているか、気付かされるんだもんな。周りにそういう人がいてくれないと、私はきっと枯れてしまう。もちろん、演劇という行為にも関わっていないと、大変なことになる。

めんどくさい人間の、ちょっぴり調子に乗った戯言でした。
でも、他にもいろいろ考えないといけないとき、根本の単位に思いを馳せることは重要でしょ?
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と、ここまで書いてきて、やっぱり反省モードに。私はいつも、傍観者的発言をしてしまうのだ。もっと直裁に物事にコミットしたいのに、いつも一歩引いたかのような発言をして、冷静であることを誇ろうとする、ある意味、おめでたい人種に入る人間のような気がする。生きていることを正直に見据えた発言をする人々を前にすると、そういうのが防衛的な無駄生きのように思えてくるのだった。私は何をそんなに守っているのかな。

ああ、まどろっこしい。ようは、もうすぐ新婚さんのラブラブパワーにあてられて、私もあらためて初心にかえり、これからも家族を大事にしようと思ったのだけど、つまり、これからもよろしくねと言いたかったのだけど、それをそのまま言う前に、以上のような「分かりにくい」前置きが必要なのだ。

仕方ないといえば、仕方ないか。そういうふうにしか振舞えないのだから。めんどくさい人間だけど、うまく付き合っていかないとな。というより、かつよしさん、どうかこれからもお付き合いよろしくね。今宵は帰りが遅くなって電話できなくてごめん。
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5月7日(日)
・蕎麦屋で食事

第3回通し稽古がおこなわれた。思わず、作品世界に見入ってしまった。ずっと稽古を見ている身として、これは珍しいことだった。『上野動物園再々々襲撃』。とても、いい作品だ。夕食は、劇場近くの蕎麦屋で。

5月8日(月)
・焼き鳥屋でいろいろと

いつもの焼き鳥屋に劇団員の方々と行った。いつもはホッピだったが、今日は日本酒を頼んだ。飲み始めると、とまらなくなる。やっぱり日本酒は一番好きだ。健康のためにも「足るを知る」人間にならないといけないのだろうな。

今日は(今日も?)、いろいろ教わった。『上野動物園再々々襲撃』にも出演する俳優の志賀廣太郎さんと足立誠さんたちと飲んでいたのだが、主宰する事務所がテレビCM等にしばしば出るようになったきっかけは、山内健司監督の「アップルマジック95」(1995年)という2分間ほどのCM作品だということを知った。インターネットなるものがこの世に出来ているんですよ、ということを知らしめるたった一夜だけのCMだったそうだ。アップル社の作品で、業界的には話題になったとのこと。

およそ10年後のいま、インターネットはより多くの人たちに知られている。私もそのころ、今みたいに頻繁に利用していなかったな。隔日の感がある。10年前に、こんなふうに自分たちがHPを開設するとは夢にも思わなかった。これから10年後、どんな世界が待っているのかな。
2日分、まとめて更新!

5月9日(火)
・チャーハン
・餃子

稽古の合間を縫って、夕方に、劇場近くのラーメン屋でぱぱっと。この日の通し稽古には、写真のワークショップの団体さんが入っていらして、客席に三脚を立て、舞台写真をぱしゃぱしゃとって課題をこなされていた。異様といえば異様な光景で、不思議な時空間に身をおいていたといえる。

5月10日(水)
・居酒屋でいろいろと

いよいよ明日から新宿の紀伊国屋サザンシアター入りする。そのために午前中は、劇場(キラリ☆ふじみ)で機材梱包と搬出。全部で24口の大量の荷物となった。それにしても富士見には2週間以上お世話になったのだなあ。振り返ればあっという間だった。

午後は、先週の展示の機材の搬出(別件)をするために、科学未来館に行った。担当の方に話を伺ったところによると、私のあの、17インチのPowerBookG4をぽんと置いただけの地味〜な展示でも、じっくり見ていってくださった方がいらっしゃったという。ほっとした。

今回の展示では、前から気になっていた高橋メソッドというプレゼン技法に真剣に取り組むことを自分自身に課し、暗黒の準備期間を経て、洗練というにはほど遠いがこれなら他の人にも見せれるかなというところまで行った。だが、それはあくまでマイミッション、自己満足にすぎない。大画面モニタが当たり前のデジタルメディア関係の領域で、ノートパソコンと高橋メソッドと本人不在の展示は正直勇気がいった。下手すると、とってもやる気のない人と見做されてしまう。お客さんの反応を直接見られないというのは、こんなに怖いことだったんだ。

夜は、ひさびさに演劇関係者ではない人たちで、気持ちのいい人たちと新宿で飲んだ。前から約束していたこと。てっきり新宿への移動日が今日だと思って、強く本日10日を希望したのは私である。でも、ほんとうは明日だった。。。あほやで。

とほほな気分をあっというまに吹き飛ばしてくれたのは、メンバーとの楽しいおしゃべり。おまけに頭がほぐれたのか、帰りの電車のなかで、申し込み期限が迫っているのになかなか思いつかなかった学会発表タイトルのグッドアイデアがぱっと浮かんだ。仲間内では、この状況は「小人さんが現れた」と表現する。研究者用酔拳を修行している甲斐があったともいう。
5月11日(木)

・回転寿司

新宿に移動した。いよいよ明日から本番が始まる。とてもいい作品に仕上がっている。一人でも多くの方に観ていただきたい。自信をもってお勧めします。これは贔屓目とかそんなんではないと思う。自分でいうのもなんだが、どちらかというと私は、贔屓目に物事を見たいときでもつい余計な皮肉を言いたくなる嫌味な性分をしているのだ。こんなに素直に多くの人に観てもらいたいなあと思うのは、やっぱり作品が「強い」のだ。

私は本番中も前のほう(4列目)の見切れ席に陣取ってひっそりとビデオ撮影しています。もしこれを見て観にきてくださった方は、終演後、是非一声かけてください。

今日も例によって例のごとくやることがたてこんでいて、11時前にやっと夕食にありつけた。ホテル近くの回転寿司屋でさくさくっと軽めに。同行者と。最初彼も「うまいもん食いたいですねえ」とか言っていたのに、何件か行きたい店に振られて、最後は「近くで済ませちゃいましょう」とあいなった。私にとってひさびさの完全休肝日。都会でストイックに過ごせてよかったかも。

食後は、なんとなく夜の新宿の街をひとりで歩きたくなり、同行者とも別れて、ほんのちょっぴり散歩した。椎名林檎のまねごと(懐かしい!)と言いたいところだけど、もちろん安全なところを選んでだよ(←夫に向かって言っている)。
5月12日(金)

・コロナビール
・ひよこ豆のサラダ
・チキンカレー with ナン
・コーヒー

初日が無事あけた。昨晩は気分が高揚してなかなか寝付けなかったし、開演1時間前から客席に入ってカメラスタンバイしているときは、アップ中の俳優さんたちにあてられたのか、なんだかこっちまで心臓がどきどきしていた。これって、限りなく身内の感覚じゃないか。ある俳優さんからは、何の足しにもならないとからかわれたこともある(笑)。いかん、いかん私はれっきとした部外者だ。クールにならねば。

当たり前のことだが、本番は、お客さんのものだと実感した。私は、ある意味特権的な観客として、稽古場の空気を自由に吸うことが許されてきたが、本番ではそんな特権なんて意味をなさない。お客さんみんなのための作品なのだ。客席のここかしこで笑い声や鼻をすする声が同時に聞こえた。劇場全体がぴんと張り詰めた緊張感にしばらく覆われたシーンもあった。これまでキラリ☆ふじみの800人収容のメインホールの客席で、演出家と自分たちだけでぽつんと舞台を独占的に見つめていたのが、まるで幻影であるかのようだ。なんだかちょっぴりせつないぞ。でも、平田オリザさん的な言い方をするなら、「それはさみしいけれど、誇らしいことでもある」。

一部の閉じたマニアの人たちだけのためではなく、みんなのための作品を作ることがどんなに難しいか。技術的に難しいということだけでなく、みんなのための作品=大衆に媚びた作品=保守的な作品というふうに、短絡的思考をしてしまう癖のついた人もまだまだたくさんいる状況で、誰にも加担することなく朗らかに芸術の社会貢献を歌うことがどんなに難しいか。

(フィールドワーク中のため、具体的な感想はここに書けないが、)いままでになく釘付けになったシーンもいくつかあった。もう、いろんな意味で、終演後ひとりになってクールダウンする時間が欲しかった。初日の打ち上げはパスして、新宿駅の周りをぐるぐる散歩した。夕食はホテル近くのインド・パキスタン料理屋さんで。その後、但馬屋珈琲店に行くも振られ、結局ルノアールのコーヒーで〆た。ルノアールでは大量の演劇チラシのチェックをした。これって新宿病?周囲の環境に振り回されやすいなあと自分で思う。
5月13日(土)

・居酒屋でいろいろと

元転形劇場のメンバーで、『水の駅−3』のフィールドワークでもお世話になった俳優のYさんが観にいらした。「公式の飲み会」に参加されるというので、私も参加することにした。当初の予定としては、ジム・ジャームッシュの新作『ブロークン・フラワーズ』のレイトショーを観にいくつもりだったけど、取りやめた。映画は最悪DVDでも観られるが、人はそうはいかない。

『水の駅−3』からもう8年もたったんだなあ。そのあいだに関係者が4名も亡くなってしまったことを、Yさんは嘆かれた。2人のことは伺っていたが、他にもいらっしゃったとは。。。でも、Yさんは全然年をとった感じがしない。それどころか若返った感じすらある。不公平だな。

一気に醒めた。現実の死のほうが舞台で描かれた死よりも遠い向こうに感じられたことを自覚することによって、ふわふわしていた気持ちが飛んでいった。現実に戻ろう。これからの私の現実をちゃんとしよう。
5月16日(火)

・日本酒
・まぐろの漬け丼
・あさりの味噌汁
・ほうれん草の白和え
・焼きなす

40日ぶりに奈良に戻ってきた。自分のうちが自分のうちではないみたいな新鮮な感覚を覚えた。台所でインスタントコーヒーの瓶をどこに置いていたのか、一瞬わからなくなって探してしまったほど、家事から遠ざかっていた。

からだはやさしい薄味を求めていた。勘を取り戻すかのように、「いつもの」献立にした。

息子はしばらく見ないうちに大きくなっていた。口数も増えた。乳児から幼児へ、いつのまにかこっち側の人(言語使用者)になったようだ。もう突拍子もないことをしなくなるのかと思うと、世話がかからなくなって楽だと思う反面、ちょっとさびしかったりする。

とはいえ、岡山では面白いことをたくさん言って、みなを笑わしていたらしい。窓辺から夕日のあたる稜線を眺めながら、「山は大きいなあ。気持ちいいなあ。お父さんも大きいよお。頭もあるよ。手もあるよ。」と目をまんまるにして、得意げに周りの大人たちに教えていたとのこと。

息子にとって、お父さんはとってもおっきく見える存在なんだな。
5月17日(水)

・ごはん
・大根と三つ葉のお吸い物
・ぶり大根
・人参とズッキーニのハーブ焼き

息子と二人で。

保育園の帰りに、「今日は何を食べたい?」と聞くと、「ごはんとお、お魚とお、大根と人参!!!」と元気よく答えたので、おそらくは今季最後となるぶり大根にした。息子の大好物である。もぐもぐとたくさん食べました。
5月18日(木)

・白ワイン
・うなぎどんぶり
・大根としいたけの中華風スープ
・じゃがいもの重ね焼き

ありあわせのもので作った。実家から郵パックでうなぎの蒲焼の真空パックが届いていたので助かったわ、と思ってちゃちゃっと作っていたところ、夫が小さい花束を持って帰宅した。はて、何事?と一瞬思ったが、なんとこの日は私たちの4年目の入籍記念日だったのだ! いかん、ごめん、すっかり忘れていたよ。反省しきりであった。
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5月19日(金)
・日清カップヌードル

研究所のデスクでカップヌードルをすする。20日郵送必着の原稿をうんうんうなりながら取り掛かっていた。論文をここしばらく書いていなかったせいか、文章がまったくこなれない。困った、困ったで、9時半ごろ諦めて帰路についた。

息子は、一時保育の保育園で預かってもらい、10時ごろ自宅まで送ってもらった。小1、小2のお兄ちゃんたちに「しずかにせなあかん!」と説教していた嫌な3歳児だったそうだ。

5月20日(土)
・海鮮丼

息子に乗られたり、ブラジャーのなかにWクリップを入れられたりの猛攻撃に耐えながら、自宅で論文書き。夕方ごろようやく仕上がる。近所の生協から宅急便で送った。

その足で、父の誕生祝と退職祝いを兼ねたプレゼントを探しに、デパートに向かう。京焼きの徳利とお猪口2つのセットにした。薄くて軽い持ち加減のものは実家では珍しがられるんじゃないかな。

別の階で北海道フェアをやっていたので、夕食はそこの海鮮丼にすることにした。昨日も今日も夫は仕事で遅いので、なんか、うちで作る気がしない。まだ日常生活のペースがつかめないのであった。
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5月21日(日)
・会席風料理いろいろ

父の誕生日祝いと退職祝いを兼ねて、岡山の実家近くのホテルで食事をした。父は最近、パソコン教室に通い始めたという。初めてパソコンで書いたバイキンマンの絵を見せてくれた。

5月22日(月)
・ビーフカレーライス
・夏みかんとベビーリーフのサラダ
・ゆで卵

夫は大学の授業があるので朝早く岡山を出発したが、私は有給をとって息子とふたりでのんびり帰宅することにした。午前中、息子をあずけていたときの、恒例の朝晩の散歩コースを私も歩いた。川沿いを歩いて、田んぼのあぜ道を渡り、山道を下っていく。うぐいすの鳴き声が聞こえる、のんびりしたところだ。

夕食は夫の要望もあり、カレーにした。生協からの買い物の帰り道、お隣さんとばったり出会った。いつもみかんをくださるので、息子はいつも会うたびに「みかん」と話しかける。今回も、例によって例のごとく、「みかん」と話しかけ長崎産の夏みかんをいただいた。せっかくなので、サラダに入れた。思った以上に、オリーブオイルとバルサミコ酢にとても合った。
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5月23日(火)
・小料理屋さんでいろいろ
・〆は、うどんすき

『上野動物園再々々襲撃』の伊丹公演と可児公演のあいまを縫って京都滞在している俳優さんと食事した。場所は、その俳優さんの常宿でもある、宮川町の「澤食(さわい)」という小料理屋さんで。私たち夫婦のほかにも、教え子さんたちや京都公演に来ている五反田団関係者の方々もご一緒だった。

歌舞連場や南座も近くにある、お茶屋さんの並ぶ通りにあるので、自分たちがふらりと入るには敷居の高すぎる店なのだけど、いったん中に入ってみると、お酒は好きなものを持ち込んでよいという気楽なスタイルだし、慣れ親しんだ親戚の居間にいるような居心地のよいスペースでみんなとゆっくり話しをすることができて、もう私は大満足だった。夫も大満足だったのはいうまでもなく、なかなか帰りたがらなくて困ったほどだ。

いわゆるおしゃれな町屋づくりの店だったり、料理の腕前が角張って自慢のお店だったりすると、かえって気後れ気疲れしがちなのだが、「澤食(さわい)」さんはすべてにおいて控えめで、おもてなしかくあるべしと自分の肝に命じました。ものすごく美しいのに「控えめ美人」に見えるおかみさんのさりげない所作にも感銘した。京都ってすごいところだわ。Sさん、どうもありがとう!

5月24日(水)
・うなぎ丼
・しめじとプチトマト入り、すまし風スープ
・焼きナス
・夏みかんとクレソン、ルコラのサラダ

息子と二人で。実家から郵パックで送られてきたうなぎの蒲焼真空パックを利用したお手軽献立にした。
5月25日(木)

・赤ワイン
・パン
・カマンベールチーズ
・赤ピーマンとじゃがいものポタージュ
・いさきのアクアパッツァ

長ネギとじゃがいものポタージュスープにする予定だったのだが、長ネギをうっかり買い忘れたので、代わりに冷蔵庫にあった赤ピーマン(パプリカ)を使ってみた。赤ピーマンをバターでじっくり炒めて、じゃがいも、水、固形スープの素を加えて煮て、ミキサーにかけてポタージュスープにした。ほんのり赤く染まって、見た目的にも味的にも予想してたのよりおいしくできた。

昼間は、知り合いの研究者が学生さんを連れて研究所にいらっしゃった。学生さんのきらきらパワーをまぶしく思った。なぜ、照れるんだ、自分? ご本人のサイトを観ると、ヘビーマックユーザみたいです。そのなかの日記もおもしろかった。
5月26日(金)

ガーデン・アルディでいろいろ

夫は学会のため東京出張。だからというわけでもないが、近所のイタリアンで息子と二人で外食した。息子はここの野菜が好きで、普段好んでは食べない蓮根も、「穴のあいたレンコン♪ レンコン♪」と歌いながらぱくぱくと口にした。通うにつれだんだん居心地のよくなっていく店だ。

最近、外食の際、お皿の内容そのものよりも、居心地がいいかどうかばかり考えている。できるだけ長生きして、世界中のおいしいものをたくさん食べたいと夢見ていた独身時代と比べて、たんに疲れているのか、保守的になったのか。貧弱なレストラン経験しかないという自覚はあるが、それはそれでいいんじゃないかと開きなおりつつある。子育て中だからなのか。

いま、息子は自分の赤ちゃんの頃のアルバムを熱心にみている。いったい何を考えているのかな。おっと、いきなり子守唄を熱唱し始めた。「ねんねんころりよ、おころりよ。坊やはよい子だ寝んねしな。坊やのお守りはどこへいった。あの山、よい子だ寝んねしな♪ 坊やのお守りはどこへいった♪ あの山、(繰り返し)」
5月27日(土)

・なし?

休日なのになぜか朝早く目覚めた。そっと寝室を抜け出し仕事部屋でパソコンに向かっていると、1時間ほどして息子も起きてきて、「お仕事しない!!」と乗っかってきていつも以上の甘えっぷりだったので、私も腹をくくり、今日一日を息子の相手と家事に費やす決心をした。おかげで洗濯機4回も回転させることができた。時折晴れ間ののぞく曇り空だったけど、風が強い日だったので比較的よく乾いた。

洗濯の合間に庭の手入れをした。草ぼうぼうエリアのうち、4分の1ほどきれいになった。いくつか夏に向けて苗を植え込んだし、隣の植物がぶわーっと茂ったために、その下で貧弱化していた植物たちの避難先も確保した。

息子も赤い実を採ってポケットに入れたりやら、アリやダンゴムシを追いかけたり、草取りの手伝いをしたり、忙しく立ち振る舞っていた。草を抜くと、「うわ、くっさあー。こんなにとれた。」と言って、私に渡してくれる。草と臭(クサ!)を混同していて、どんなに説明しても分かってくれない。

午後1時すぎ、買い物も兼ねて二人で散歩に出かけたが、途中の公園で他の子どもたちとどろんこ遊びになった。素足で、滑り台の下にできた水溜りをべちゃべちゃ歩くなど。周りの家族がそれぞれ家路についても、息子は頑固にもながいことその場を離れようとしなかった。

ようやく本人も自分がお腹が空いていることに気づいたのか、「お昼を食べにでかけよう!」というノリになった(←私はとうに作る気が失せていた)。駅の向こう側にあるアルカイックという洋食屋さんで、息子はお子様セット、私はチキンドリアという、とっても凡庸なセレクトをした。

食べ終わったのが6時前。夕方のいい時間になっていた。家に帰って、こまごま家事をしていると、絵本を読むのをしつこくせがまれ中断。布団の上でごろごろしながら同じのを3回読んでやると、そのまま寝てしまった。8時過ぎ。まだ起きない。おそらく朝まで眠るんだと思う。したがって今日は夕飯なし。

明日から夫も帰ってくるし、しばらくは洋食系以外のものしよう。さっぱり和食にしよう。

追記:3月、4月分の日記を過去ログに移動しました。過去になったです。これでちょっとは軽くなったかな。
2日分まとめて更新!

5月28日(日)
・プルコギその他

33歳の誕生日だった。家族3人で近所のデパートのなかにあるプルコギ屋さんでお腹いっぱいになるまで食事した。

昼間は夫婦で五反田団の「ふたりいる風景」を京都芸術センターに見に行った。これで2回目となるが、古い小学校を改築したスペースには、おいしいコーヒー屋さんも隣接していて、空き時間を有効に使えるよい劇場だと思う。

戯曲、演出、照明までこなす前田司郎さんは、私にとって、もっとも気になる演劇人のひとりで、才能あふれてるのを隠しきれない人だなあと思ってしまう人だ。前田さんの描く世界は、どこかが確実に狂っているのだけど、妙に説得力をもって肯定される。「まあいろいろ大変なのはほんとよくわかるんだけど、おまえなあそれはないだろう」という感じの人たちが出てくる。(割と自分の持つ感想に近い劇評がここに載っていた。)

ところが帰宅後、夜になって、夫の感想を聞いて仰天した。夫いわく、私が「おまえなあそれはないだろう」と思った男の登場人物の在りようが私にそっくりなんだそうだ。その男のそばで、いらいらを募らせている女の登場人物に、夫は万感の共感をもって感情移入していたそうだ。

全くの心外である。同じ作品を見ていたはずなのに。。隣でそんなことを思っているとは知らず、私は終演後、男の役を演じた俳優さんに「私生活ではそんなにだらしなくないですよね?」と明るく他人事のように質問していましたがな。

5月29日(月)
・日本酒
・ごはん
・豚汁
・サーモンのお造り
・卵焼き
・茹でオクラのしょうゆマヨネーズソース
・野沢菜漬け

保育園に迎えにいったとき、ピンクのドレスを着て、手にひも付き独楽を握ったまま駆けつけてきた息子の姿を確認したとき、倒れそうになった。ドレス姿で、独楽を回せるようにひもをセットしてくれと一心に私に頼むのだった。参った(笑)。

ひさびさに夕食を自分で作った。夫の帰りが遅くなるということで、息子と二人で食べ始めたけど、息子はけなげにも半分残して父親の帰りを待っていた。結局夫と息子が食べ終わったのが11時前。明日、ちゃんと起きてくれるかな。
2日分まとめて更新

5月30日(火)
・日本酒
・ごはん
・大根と三つ葉のすまし汁
・馬刺し、にんにくしょうが醤油
・馬刺しのカルパッショ
・夏みかんサラダ
・野沢菜漬け

実家から私の誕生日プレゼントとして、馬刺しが送られてきていた。ただし両親の目当ては、孫ゆういちろうに食べさせることに決まっている。それくらい彼の大好物なのだ。生野菜をたっぷり食べたかったので、すべてサラダ風の盛り付けにした。

この日も夫の帰りは遅かった。疲れがたまっているようだ。

5月31日(水)
・ひつまぶし
・たまねぎと大根と水菜の味噌汁
・冷奴
・白菜の浅漬け

息子が熱を出したから迎えにくるよう、午後、保育園から電話が入った。夜になって高熱が出ている。治って。