料理ネタ


2006年7月

7月1日(土)

・冷天おろしうどん

昼間は、祖父の米寿の祝いの会に出席するため、家族で岡山に行った。中華料理屋で。子、孫、ひ孫の家族一同が集まった。いとこたちとは子どものときに遊んだ記憶しかないので、お互い結婚して、子どもまでいたりすると、こそばゆい感じがする。祖父からは早く博士号を取るよう言われた。いままでのらりくらりかわしてきたけど、この3年が勝負だと自分でも思うので、はいと返事した。

岡山からの帰りしな、京都駅の伊勢丹で、明日の友人カップルの結婚式のためのスーツを買った。金曜夜におそるおそる洋服ダンスを開け、独身時代に着ていたよそ行きの服に片っ端から袖を通すも、袖までは通ったけど(後のことは聞かないでね)状態のものばかりだったのだ。青ざめました、昨晩は。

夕食は、ヒガシマルのぶっかけうどんつゆを出来合いの天ぷらにかけるだけという、手抜きだけどおいしく仕上がる冷天おろしうどんにした。もちろん、大根おろしと刻みねぎ、レモン汁少々を添えるのも忘れずに。
7月5日(水)

・近所のイタリアンでぱぱっと外食(スパゲティ)

またしばらく更新しなかった。そのあいだ、結婚式があったり、原稿締め切りがあったり、サッカーの中田が現役引退宣言したり、北朝鮮のミサイルが飛んできたり、せわしない日々だったのだ。

2日:友人カップルの結婚式に出席。比叡山のホテルで絶景をバックにおいしいフランス料理をいただいた。初めて結婚式でスピーチした。事前に準備していたにも関わらず、途中頭のなかが真っ白になった。

3日:前日の緊張が解けて、半日呆けていた。午後からは、5日(水)締め切りの原稿の準備にとりかかった。

4日:原稿執筆が難航。偏執狂的に文献を読む。保育園のお迎えと夕食づくりは夫に頼み、私は夜10時に帰宅。

5日:この後に及んで、原稿の論理構成が決まらず、ますます密やかに奇行を重ねることに。ところが私は運がすごくよい。どれくらい運がよいかというと、締め切りが1週間先に延期になるほど運がよいのだ!!!

ああ、この開放感。ひさびさにお風呂にも入り(汚くてすいません)、気分もさっぱりしたよ。

核弾道ミサイルだけはくっつけて飛ばさないでくれと北朝鮮に対して祈る。今回の場合強硬派が下手につつくと、本当にやるんじゃないかと不安がよぎる。逆にいえば、アメリカ、ロシア、中国もそれだけはやらないだろうと、私はどこか「大国」を信じている。劣化ウラン弾など卑怯な方法はとっているとしても。

戦争が起こった場合、資源の少ない両国にとってどちらが勝っても負けても何もいいことはない。空爆中心の戦略をとっているアメリカにとっても、中国やロシアと陸続きの北朝鮮に基地を置くのはかえって攻め込まれやすいので好まないんじゃないか、とは夫の意見。私たちは素人として、領土内で戦争が起こらない要素を無意識的に探している。海の向こうで起こしている戦争には見て見ぬふりをしても。
7月6日(木)

・坦々麺
・八宝菜
・餃子
・コーヒー
・東京土産のごまたまご

夫がエッセ「男の料理の基礎」をみながら作ってくれた。餃子は競争のようにつっつくなど、漢(おとこ)らしい食べっぷりの食卓となった。ただし、あまりに蒸し暑くこれ以上汗をかきたくないということで、辛くない坦々麺になり(坦々麺っていうのか?)、餃子と坦々麺に豚挽き肉を使っているので、豚なしの八宝菜であったが。でもそんな細かいことは本当はどうでもいいぜ。

原稿の方針はたった。自宅でメールチェックすると、書きかけの原稿の添付ファイルとともに、「最後まであきらめるな」とか「がんばれ!!」とかいったメッセージが自分から届く。漢(おとこ)だぜ。
7月7日(金)

・赤ワイン
・宅配ピザ&パスタ
・コーヒー

今日はどうしてもジャンクな宅配ピザが食べたいという夫の強い要望に応えて、このような食事に。こっちにとっても好都合。ラッキー。でも、食後、やっぱり胃もたれしてしまっている。

これから、テレビで岡本太郎の『明日の神話』の除幕式を見る。現場にはいけないけど、茶の間でわくわくしている。
7月8日(土)

・お茶(缶ジュース)
・焼きそば
・から揚げ
・おにぎり

保育園主催の夏祭りが開かれた。年長さんが御輿をかついでわっしょいわっしょいしている後ろを、年少さんの息子もちゃんと同じはっぴを着て、手作りのペットボトルマラカスを振りながら、わっしょいわっしょいと公道をねり歩いた。夕食は、息子と二人、保育園で。お父さん連れのともだちといっしょに。(夫は仕事があって残念ながら不参加。ともだちのお母さんも仕事があって不参加)。ボールすくいゲームをしたり、かえる踊りを踊り狂ったり、お父さん有志の花火をみたり、息子はものすごく興奮して大喜びだった。帰宅後しばらくして、同じく帰宅してテレビを見ていた父親のお腹の上にのぼり、そのまま撃沈。そりゃそうだろう。

昼間は、散歩つれてけ、ボール遊びしろとうるさくせがまれ、外出することに。仕事あるからいやだとこちらもごねてたんだけど、しつこさに負けた。蒸し暑い炎天下でボール遊びをするのは危険だったので、アイスクリームを食べに行こうと、近所の喫茶店まで誘導した。ただ歩いただけなのに、お店の人に泳いできたんですかと聞かれるくらい、髪の先まで汗びっちょりかいていた。テーブルでは、「おかあさん、おしごとしていいよ。ゆういちろう、ひとりでお神輿行くから」と調子のいいことをのたまう。

その後、恒例の花選び。喫茶店の隣の花屋で息子に好きな花を選ばせる休みの日の娯楽である。本日は、赤紫のカーネーションが選ばれた。その後、歩道の雑草の花をたくさんちぎって、空にぱあっと投げて遊ぶ行為に親子して夢中になる。いったん家に帰って、花をいけて着替えて、その後、公園で約束のボール遊びに出かける。息子は、草むらにボールが入ると、なぜかわざと転んで、ワニさんといって腹ばいに寝転ぶのだった。そのまま夏祭りへ。

息子のせいで、劇的に休日の過ごし方が変わった。早くひとりで何でもできるようになってほしいと思うのと、このままでいてほしいと思うのと、両極端に気持ちが振れる。
7月9日(日)

・ごはん
・焼肉、焼き野菜
・キムチ
・冷麺(夫のみ)
・コーヒー

実家から郵パックで焼肉セットが昨日届いた。昨日の今日である本日、家族でぺろりと一気にたいらげた。下ごしらえは夫がしてくれて、楽ちんだった。窓を締め切ってクーラーをつけているので、今もなおリビング中に、焼肉のにおいがこもっている。

前田司郎の『愛でもない青春でもない旅立たない』を読んだ。彼の演劇作品にも通じると思うが、ラストが無理矢理終わらせた感があって、フラストレーションがたまった。途中までぐぐっと引き込まれるも、最後投げ捨てられた感じがするのだ。おそらく作者である本人も書き進めながら、どんどんどうしていいか分からなくなっているんじゃなかろうか。そこが魅力といえば、魅力。奇妙な誠実さ。
7月10日(月)

・赤ワイン
・夏野菜たっぷりのシーフードカレー
・ゆで卵
・きゅうりの浅漬け
・コーヒー

何種類もたくさん野菜の入ったスパイシーカレーを浴びるほど食べたくなった。暑いせいか?

今晩の息子は絵本もせがまず、大声で歌ったり踊ったり、ずっとべらべらとしゃべり続け、なかなか寝付かなかった。たまに耳元でぽつぽつと保育園であった一回性の出来事(○○くんが怒ったなど)をささやき声で報告してくれたりもした。たぶんストーリーの半分もこちらは理解していないと思うが、息子に心のひだひだが出来てきていることはよく分かった。大きくなったなあ。11時に始まり、12時過ぎにやっと就寝。幼児にしては、遅すぎる。
2日分まとめて更新

7月11日(火)
・昨日の残りのカレー
・ミネストローネ(パック)
・ベビーリーフサラダ
・コーヒー

昼間もカレー。カレー三昧の日日である。

火曜未明、原稿の神様がやっと降りてきてくれ、あんなに滞っていたのが嘘のように次から次へと文章が出てきた。昼間は大阪から、来訪者をお迎えし、しばし歓談。その後、原稿も勢いにのったまま無事投稿完了。もしかして、彼はラッキーパーソンなのか!

7月12日(水)
・ぶっかけおろしうどん
・コーヒー

蒸し暑い。そのうえ風邪をひいた。鼻が詰まって、食事がまったく味気ない。おいしくない。参った。
7月13日(木)

・ごはん
・しいたけ、たまねぎ、マロニーの中華スープ
・回鍋肉
・コーヒー

健康診断を病院で受けてきた。風邪のせいで数値が変なふうに出てないといいけど。今回生まれて初めて、乳がん検診(触診とマンモグラフィ)と子宮頸がん検診(触診と細胞診)を受けた。まだ絶対に死にたくないので、まめに検査を受けることにしたのだが、やっぱりその場ではそこはかとなく恥ずかしくなる。ほんとうの病気だったらそれどころじゃないだろうから、健康の証と思うことにしよう。

マンモグラフィってなんのことか分からず申しこんだのだけど、乳房を縦に圧迫挟み撃ちして、レントゲン撮影するものだったとは、知らなかったなあ。「痛い」というまで圧迫される。思わず「いて〜」ということばが出た。痛みに関しては個人差があるらしく、全く感じない人もなかにはいるそうだ。微乳は不利?ひとつ、賢くなった。

もひとつ賢くなったことに、回鍋肉って、いったん茹でた豚を鍋に戻して炒めることを意味する料理名だということを知った。作り手である夫いわく、常識とのこと。
7月14日(金)

・白ワイン
・トマトの冷製パスタ
・グリルチキンサラダ
・ゆでとうもろこし
・コーヒー
・ロールケーキ

お米を切らしたので、パスタで乗り切った。野菜の好みをいえば、断然夏野菜好きなので、この季節はうれしい。

昼間は、雷とともにものすごい夕立が降った。雨上がりになって蒸した風が窓から入ってきたとたん、先週末保育園の夏祭りで園児たちが踊り狂っていたかえるの歌が突如頭に浮かんできて、本当に困った。踊りだしたい衝動を抑えるのに苦しい思いをした。「かえるのみどりちゃん、ケロケロケロ、かえるのみどりちゃん、〜お天気のいい日はご機嫌ケロケロ〜略〜緑の丘を越えて〜すいすいす〜〜ああ、人生前向きで」。このままではかえるにトリツカレテしまうと思い、冷静に調べてみると、保育業界では定番の大人気の歌みたい。題名も、そのままずばり、「かえるのみどりちゃん」。CD情報は、ここに。歌の一部も聴けるよ。
7月15日(土)

・白ワイン(昨日の残り)
・手巻き寿司(簡易版)
・なめこの味噌汁

猛烈に暑かった。昨日から麺類やパンなど、食欲のないときでも食べられる食事が続いたが、ひさびさにご飯(米)を食べたくなった。でも熱々の白ご飯はピンとこないなあと思ってたのだ。夕飯の献立何にしようと珍しく悩んでいた。タイムリミットの6時前に、そうだ、酢飯にすればいいんだと思いついた。日本食は偉い! この夏、食欲があまりないときは、簡単寿司で乗り切ろうっと。

行灯仕立ての朝顔の鉢を買った。うちに持ち帰ってすぐ、自分に与えるかのように葉水をやった。
7月16日(日)

・塩ラーメン(函館みやげ・「あじさい」)
・長崎ちゃんぽん(夫のみ)
・ぎょうざ

夫がありあわせのもので作ってくれた。息子が食べる前にちょっとした悪ふざけをした。食事前になんだ、謝りなさいと父親からいわれるも、大声早口の反抗的な「ごめんなさい!!」で応えたので、罰として食事抜きになった。その時点でわっと泣いた。ひとしきりわんわん泣いて、落ち着いた後、それでもなお本人は自分が悪いとは思っていない、納得いかない顔で父親をにらみつける。しかも私の腰にしがみついて。困った。数時間して、お腹が空いたのか、素直にごめんなさいと夫に向かって謝った。夜遅かったので、トマトとチーズとカフェオレの軽食をとらせた。

今のところ、私たちが息子の生殺与奪の権を一心に握っているが、彼が思春期を向かえ大きくなっていき、力関係が拮抗しはじめたとき、どうなるのか。息子への接し方を間違えると、これは大変なことになるぞ。

いや、思春期を迎えなくても、小学校にあがったとき、自分の納得いかない言動をとる先生をにらみつけたりしないだろうか。本人はきっとこれから苦労するだろう。岡本太郎の自伝によれば、太郎も先生や学校と折り合いが悪く、何度も転校したという。岡本太郎のようにアンチを貫き通して生きるのだったら、いい。でも中途半端な反抗心しかもちえず、それに見合ったしょうもない苦労をしょいこむ人間になったら、情けない。
2日分まとめて更新!

7月17日(月)
・トマトの冷製パスタ
・焼きズッキーニ
・マッシュルームのサラダ
・すいか
・コーヒー

前日の険悪ムードがいっぺんして、のんびりだらだら過ごした休日となった。夕食も手軽でおいしい簡単イタリアンで。息子には最近トマトばかり食べさせている気がする。

雨が降って暇をもてあました夕方、それぞれが広告で紙飛行機を作って、いえのなかで飛ばして遊んだ。息子は常に自分が優れていることを主張する。私のほうが少しばかり遠くまで飛ばせたとしても、飛び方が少しでも汚いと、「おかあさん墜落。ゆういちろうの勝ち」といって、認めようとしない。父親が格段にうまく遠くに飛ばせたときは、「ゆういちろうのほうが、墜落!」と、ルール自体をねじまげるすごい解釈をする(笑)。この負けず嫌いは誰に似たのか。

7月18日(火)
・白ワイン
・ごはん
・しじみの味噌汁
・鶏の山椒焼き、大根おろし添え
・茹でとうもろこし

雨が続いている。先週の水曜にじっとりと始まった風邪は、平日仕事を休むほどでもないが、休日はできれば安静にしておきたいタイプのいやな風邪で、この3連休大人しく過ごしたおかげでなんとなく過ぎ去ったようなそうでないような、すっきりしない治り方をしたみたいだ。夫は2,3日前から鼻水が、息子は昨日から咳が出ているが、二人とも私と同じような経過をたどるんじゃないかなと予想している。

私の好みの風邪は、あれと思ったら、一気に熱が上がって動けなくなり、それからストンと熱が下がって、だんだんからだが軽くなるのを実感できるやつ。この手の風邪と今回のような煮え切らないはっきりしないタイプの風邪は、そもそも原因となる菌やウイルスの種類が違うのかなあ。それとも、たんにこちらのそのときどきの体の抵抗力の違い
が症状の違いになって現れるのかな。

明日から夫がしばらく出張に出かけ、うちにいない。気を引きしめて、留守を守ろう。
7月19日(水)

・近所のイタリアンで

保育園の帰り道、生協によって夕飯の材料を買って、うちまで歩いていく道すがら、ケーキ屋さんがある。そのケーキ屋さんの前で、息子は欲しいとだだをこねた。だめだといったら、ケーキ屋さんの前の道路に寝転んで、ふて寝のふりをするだだのこね方だった。こちらも頭にきたので、「もう知りません、さようなら」と先に行こうとすると、「いかないで」と泣き始める。だましだましうちの前近くまで連れて帰ったが、そこでも地べたに座りこんでぐずぐずしているので、私も怒った。そのあと、息子がおお泣きしてもほっておいた。

そんなこんなで夕食を作って息子と二人きりで食べる気が消えうせ、おお泣きモードを脱した息子と外食をすることにした。そのときは、ふたりともにこにこ顔に戻り、「楽しいね」と手をつないで歩いていった。冷静になって振り返ると、まるで私たちは痴話喧嘩後の恋人たちのようだ。
2日分まとめて更新!

7月20日(木)
・ごはん
・大根とねぎの中華風コーンスープ
・えびとにんにくの芽のオイスターソース炒め
・納豆
・梅干

前日買った食材で、前日作ろうと思っていた品を作った。息子の咳が気になるので、邪気をはらうべく、にんにく、ねぎ、しょうがを効かせたものにした。スープはしょうが効かせすぎかなと思うほど、微小ぴりぴり感が立っていたが、勢いよく飲んでくれてうれしかった。

「ロハス育児法」と銘打ったビニールに包まれた雑誌(ソトコト)をコンビニで買った。坂本龍一メッセージ入りエコバッグが付録としてついてくる。つい目がくらんでしまった。私は経験的に特別付録のついた雑誌に弱いのだ。

ビニールをはがし、中の記事を読んでみると、、、それが残念ながらどん引きだった。たとえば、少子化問題を克服できたフランス、それに比べ日本は遅れてるという文脈で、以下のような文章が出てくるのよ。

「ロハスな子育て:本当のサスティナブルな育児、教えます。」p.28

「また、こうした風潮を受け、サスティナブルな子育てがパリジャンたちのお洒落なライフスタイルとして定着し始めたということも見逃せない事実だ。かっこいい子育てを実践しているパリジャン家族、フジェイロールさん一家の暮らしをのぞいてみよう。」p.34

ださださ。何かの悪い冗談? 私はこの手の未定義語のキーワードを並べ立てた文章がまじめな文脈で書かれてあるのを読むのは、とっても苦手である。読者を赤面させてどうする。もう怒った。2度とソトコトなんて買わないぞ。 

ロハスという概念自体を否定するつもりは毛頭ない。それどころか運動が広がることは「いいこと」だと思っている。アメリカに対しては、さんざん自分らが浪費しといて、よくもまあいけしゃあしゃあとこんなこと言えるなあと思うが、浪費を続けられるよりはよっぽどましだと思うので。

これまでの私の思いとしては、ロハスということばを口にするのは、いいことを盾にした偉そうな人の側に立つような気がして、躊躇していたのだ。ところが、今回の雑誌の特集をみて、偉そうとかそういうことよりも前に、軽薄な感じがして、哀しくなってしまった。どうして、こういうふうにしてしまうのかなあ。

でも他人が自分の思うようなことをしてくれないからといって絶望するフリをするほど、暇ではない。私はやるべきことを地道にやる。

7月21日(金)
・居酒屋メニュー

前の研究室でお世話になった秘書さんの送別会(快気祝い?)が開かれた。遠方から来る人もいるということで、京都駅付近の居酒屋になった。近鉄プラッツの裏手には、居酒屋が密集しているエリアがあるんだな。知らなかった。研究所解散でみなこの3月をもってちりじりになった。まだ4ヶ月しかたってないのに、なんだかとっても懐かしい気持ちがした。
7月22日(土)

・ごはん
・なめこの味噌汁(赤だし)
・すき焼き
・トマト

米沢出張にいっていた夫が、土産にすき焼き肉を買ってきてくれた。ひさびさに鉄鍋を出してみると、赤錆が少しできてしまっていてショックだったが、鉄分をたっぷりとれると思い直して、火を入れた。道具はこまめな手入れが必要なのね。。。お味のほうは、それはそれはおいしゅうございました。お肌がつやつやする感じがしました。

明日から6日間休暇をとって、沖縄と長崎にいく。毎年恒例の夏の行事。この一年でたまった澱を海に流してこよう。今年はどんな楽しいことやおいしいことが待っているのかな。遠足前の小学生みたいに興奮して眠れそうもない。

ただ今回の旅行は、いままでと違って、メールチェックしないといけない状況のなか出発している。気持ち的に完全休暇とはならないところがいたいなあと思う反面、とうとうそんな歳(立場?)になったかね、と醒めた目でみている自分も確かにいる。ああ、そんなこんなな複雑な思いも、透き通った海がときほぐしてくれるに違いない。うっとり。

明日の朝は、8時前にはうちを出ないといけない。朝食はすいか。お隣さんからのいただきもの。夏の寝起きに冷えたすいかを食べるのは、至福のときに違いない。うっとり。うっとり。
7月27日(木):沖縄→長崎

昼:牧志公設市場のつばめ食堂
・イセエビの刺身と味噌汁
・グルクンのから揚げ
・そうめんチャンプル
・焼き餃子
・沖縄そば(夫のみ)

夜:長崎空港の食堂
・皿うどん

今年の夏旅行ももう終わりだ。もっともっと南の島でのんびりしていたい。来年こそは2週間の休暇をとるぞと、毎年思うことを今年も思う。旅の終わりに痛い目にあっている。肌の焼きすぎでとんでもなく痛い。しばらく椅子に座ったあと、立ち上がって歩きはじめる際に、むこうずねの皮膚がちょっと引っ張られるだけで「あいたたた」と激痛が走る。粟国の日差しを甘くみてはいけなかった。何も学んでいない。

粟国から那覇経由で長崎に到着した。長崎行きの飛行機が出るまでに時間があったので、昼は公設市場に行った。息子に珍しい魚介類を見せてやるのが主目的だったのだが、肝心の現物(とりわけ甲殻類)は見るのを怖がって後ずさりした。2階で食べる段階になったら、さすがに怖がらず、絶好調に戻った。夜は空港で食事をすることにした。夫は重要な家族会議をするため実家に行かなけれなばらず、あまり時間がなかったから。今、息子と私は近くのホテルで留守番をしている。息子は疲れたのか、いつもより早い時間に自分からベッドにもぐりこみ、すやすやと眠っている。

ようやく自分のパソコンでインターネットに接続できる環境が整ったので、旅のあいまに書き溜めていた日記を以下にアップする。「事実」中心の記録になっている。「思ったこと、考えたこと」はあまり書いていない。より正確には、リアルタイムの記録では反省的態度がとれず、書けなかった。ガイドブックとの付き合い方(とりわけ、今回も多いにお世話になったさとなおさんの『沖縄上手な旅ごはん』をめぐって)、今後の旅の方向性についていろいろ話し合ったこと、沖縄に縁の深い画家や陶芸家の作品の感想、好きなアロハシャツの柄などなど、今回の沖縄で「思ったこと、考えたこと」は、奈良に帰ってどうしても書きたいというパッションに襲われたら書こうっと。
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7月23日(日):沖縄

昼:テンtoテン
・沖縄そば
・古代米のおにぎり

夜:青島食堂
・水餃子
・ザーサイの豚肉炒め
・焼きビーフン
・ひき肉のせご飯

お昼に那覇空港に到着した。ひとまず荷物をホテルに置くべく、タクシーに乗った。昼は牧志公設市場の2階のつばめ食堂で食事をする予定だったが、タクシーの運転手さんが第4日曜は休みであることを教えてくれた。で、急遽予定変更して、去年初めて行って印象に残っていたテンtoテンという沖縄そばの店に再び行くことにした。

テンtoテンのそばは、誤解をおそれず分かりやすくいうと、日清どん兵衛(カップラーメン)を100倍ほどおいしくした感じの味である。どん兵衛のスープから化学調味料や発泡スチロールくささを消し去り、可能なかぎり薄味に仕上げ、麺のこしと縮れ具合をぐーんと強くしたら、テンtoテンのそばになる。

夜は、昼間つばめ食堂に振られた代わりに、国際通りをちょっと入ったところにある青島食堂に餃子を食べに入った。つばめ食堂も青島食堂も台湾系。頼んだ料理はどれもみな何気なく、ストレートにおいしかった!! 息子の食らいつき方も全然違った。ひき肉のせご飯の肉そぼろは八角が効いていて、刻んだ漬物の葉っぱとご飯に混ぜてがしがし食べるととてもおいしかった(ただし息子にほとんど食べられてしまった。恨みがましい行為だと思うが、事実を記録しておく)。沖縄は台湾と近いせいか、台湾料理のおいしい店がたくさんあるんだなあ。3人でお腹いっぱいになるまで食べて、〆て3600円也。書きながら、ほおが緩む。

備忘録:おいしい居酒屋は日曜休みであることが多いみたいだ。以後、気をつけよう。
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7月24日(月):沖縄

昼:ひかり食堂
・てびちの煮付け
・てびち汁
・ナーベラーの味噌炒め
・沖縄そば(夫のみ)

夜:プチホテルいさ(粟国)
・民宿風の料理いろいろ

3時半に出発する粟国行きの飛行機を予約していたので、昼間は、那覇で食事することができた。せっかくなので、てびち専門のひかり食堂に行ってみた。てびちはもともと煮込みを意味する沖縄のことばらしいが、日本で普通「焼肉」といったら牛を食べるように、「てびち」といったら豚足の煮込みを指すことが多いようだ。

豚はどうしても脂ギトギトのイメージがついてまわっていたが、てびちは全然そんなことがなかった。あっさりプルプル。またしてもお肌がつやつやになることであろう。ひかり食堂でひとつ失敗したのは、沖縄の大衆食堂は、一品頼めばもれなくご飯一杯がついてくるシステムであることをすっかり忘れていたこと。沖縄そばが余分であった。まわりの地元のお客さんの様子を見ていても、ひとり一品頼んで、ご飯といっしょに上品に食べていた。私たちのテーブルだけ調子にのった観光客気分を振りまいていたかも。。このままいくと夫が豚に変わってしまうのではないかと心配になった。

9人乗りプロペラ機で粟国島に向かった。私たち家族3人の他には、お客さんはたったひとりだった。おかしいなあと思ってたら、台風5号の余波で、ダイビング客たちのキャンセルが相次いだせいでそうなったようだ。台風本体は中国にそれたのだが、余波がきついため、フェリーも欠航続きとのこと。

部屋に着いてから7時半ごろまで、みんなで昼寝。前日もたっぷり昼寝したし、毎度ながら昼寝旅行だ。夕飯は、台風の余波で船が欠航しているせいで、揚げ物、煮物中心のシンプルなものだった。ショックなことがひとつ。なんと、オリオンビールの生ビールサーバがなくなって、瓶ビールのみになっていた!! 繁盛しているみたいなのに、どうしてなんだろう、残念だ。
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7月25日(火):沖縄

昼:
・沖縄そば
・豆腐ちゃんぷる
・餃子

夜:プチホテルいさ
・島で採れた食材中心の献立

ウーグの浜に行ってみたが、今日も波が高くて泳げなかった。午前の回は、砂浜を素足で歩いて、珊瑚や貝がらを拾った。完全プライベートビーチ状態で気持ちよかった。それなのにそれなのに、午後は息子が風をこわがって砂浜に下りることすら拒否した。へたれ、軟弱、臆病者。

代わりにレンタカーで島巡りをした。大きな紫色をしたヤドカリ、犬、猫、クイナ、にわとり、豚、山羊、牛と遭遇した。普通にその辺にいる感じ。息子は興奮。

夕食は、メインはグルクンのから揚げで、副菜に島で取れたフキを甘辛く煮たものや同じく島で採れたヘチマの酢の物などがついてきた。息子はフキの煮付けをいたく気に入り、私の分まで食べてしまった。グルクンは那覇で食べていたのよりも大きめに感じたが、宿の方に言わせれば、小さめのものだという。

「漁港に星を見に行くからいっしょに行く?」と誘われて、夜の9時ごろトラックの荷台に揺られて星を見に行った。車のあかりを消すと、まっくらに。道路に仰向けに寝て、満天の星を眺めた。あまりに星が見えすぎて、星座がわからないほど。天の川がはっきりと流れていた。息子はここでも風が怖いと騒いだので、トラックの運転席にしばらく乗せておいた。クラクションを鳴らすなど、ことごとくうるさい。夫はこのとき、どこかのタイミングで糞の上に腰をおろした模様。部屋に戻ってから、洗濯した。

そうそう、ビールサーバの謎が解けた。ビールサーバは毎年夏に出しているが、実は中身は発泡酒だった。お客さんが少ないときは、もったいないので残りはご主人中心に飲むことになる。ご主人は発泡酒はあまり好きではないので、お客さんがたっぷりいるときに出したい。もうそろそろ出してもいい頃だけど、とのことだった。そうか、普段ビールをほとんど飲まない私でも粟国でぐびぐび飲めていたのは、そういうことだったんだ。かといって内地では、発泡酒はなんとなく物足りなく感じてしまって、あまりおいしいとは思わなかった。泳いだあと、キンキンに冷やしたジョッキで飲むと最高においしく感じるよう作られているのだ!
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7月26日(水)

昼:プチホテルいさ
・カップラーメン

夜:プチホテルいさ
・煮物、揚げ物中心の献立

波はお昼前にようやく静かになった。ここぞとばかりに浜に出かけ、時間を忘れ海につかっていた。最初怖がって夫のお腹にしがみついていた息子もだんだん大胆になり、私より沖に出ようとして、こちらを困らせた。なにせ夫は泳げない。水深7センチほどの浅瀬に仰向けに寝転がり、波が顔にかぶさったといっては、ホラーサスペンス主人公顔負けの形相をこちらに向けるぐらいだから、いざというときあてにならない。いつものように、ほとんどプライベートビーチ状態なので、他人の助けも全くあてにできない。浜遊びに関しては、安全第一をモットーとした。

時間を忘れ泳いで(たんに浸かって?)いたので、お昼ごはんを「食いっぱぐれて」しまった。島内の店を全部回っても、準備中、休業中のものばかり。。仕方なく宿に戻って、何か食べさせてくださいとお願いした。カップラーメンでもよかったら、あるということ。有難くいただいた。

今日もフェリーが欠航した。とうとう客は私たち家族だけになってしまった。食事も解凍した魚を煮付けにするなど、いろいろと工夫、対処されていた。これも有難くいただいた。3時ごろに食べたカップラーメンが胃もたれして、たくさん残してしまったのは申し訳なかった。

夕飯後、食堂で宿の手伝いのお姉さんがたが、三線の先生から手ほどきを受けていたので、私たちもしばらく見学させてもらった。先生は麿赤児さんをマイルドにした感じの方。「十九の春」など映画『ナヴィの恋』でもおなじみ歌をすごく身近で聞けて幸せでした。三線の楽譜って、能の謡みたいに、字(記号)が縦に並んでいる表記法をしているんだ。初めて見た。
7月28日(金):長崎→奈良

・コーヒー
・カステラ

奈良に帰ってきた。玄関をあけると一瞬空き家の匂いがした。沖縄ではあんなに帰りたくないと思っていたのに、リビングでテレビをつけたら「ああ、うちに帰ってきた」とほっとしたのも事実。借家とはいえ、すっかりじぶんちになっている。

植物たちは、新入りの朝顔の鉢を除いて、みな元気だった。夏場1週間くらいだったら、植物はたくましいからなんとかなる。朝顔もずいぶんしなびているが、復活可能性は十分高いとみている。

4時ごろにたっぷりちゃんぽんや皿うどんを食べたので、奈良に帰宅してもそれほどお腹がすかず、夕食は、長崎土産のカステラとコーヒーで軽く済ませた。
7月29日(土)

・イタリアン系パーティメニューいろいろ

友人夫妻の結婚式の2次会に、家族3人で出席した。結論から先にいうと、子連れで行く限りは、社交はあきらめるべし。子どものことが気になって、ゆっくり話する気分になれない。逆にいえば、息子は同世代の他のお子さんたちとくんずほぐれずたっぷり遊べて満足だったんじゃないかな。息子の楽しみと親の楽しみが反比例関係にならないような家族連れでのパーティの楽しみ方を模索していくか、それとも血縁関係にない人々の集まりには、スパッと割り切って絶対に子どもを連れていかないようにするか、ある程度方針を決めないとな。
7月30日(日)

・白ワイン
・たらこの冷製パスタ
・パックの冷製スープ、各人3種
・生ハムメロン
・しめじのベーコン巻き

ミクシィでともだちのkeyquoさんお勧めのレシピを、簡単アレンジして、たらこの冷製パスタを作ってみた。生クリームソースとバジルトマトソースが皿の上で絡み合い、とってもおいしかった。いつもながら「信頼できる情報」をありがとうございます。ただやはり生クリームを使うと重い。普段は3人で500グラムのパスタをたいらげてしまうわたしたちも、クリーム系のパスタは半量ほどで十分満足してしまう。これはこれで、ダイエットになっているのかな?

以下に日記を全文コピーします。keyquoさんは、毎回日記を楽しみにしている文才家でもあるのでやんす。

■■引用はじめ■■

最近、熱中している「たらこの冷製パスタ」があります。
店主へのヒアリングを通してレシピが透けて見えたので、
メモしておきたいと思います。

-----
事前にソースを2つ用意、
1)バジルソース
 生バジル、松の実、塩、オリーブオイル、黒胡椒、にんにく
 を、適量バーミックスでペーストにして、
 多めのオリーブオイルでソースに伸ばす。冷やしておく。

2)たらこソース
 生クリームに生たらこを皮をいれずに、しがいて、入れて
 塩と少量のオリーブオイル、少量のすりつぶしにんにくで、
 味を調えて、冷やしておく。

他にトッピングを準備。
3)湯むきしたトマトを5mm角にしておく。
  ねぎかミョウガなどを2cmの極細千切りにしておく。
  とんぶりも、手に入れば用意しておく。
  よく冷やしておく。

パスタを茹でて盛り付け。
4)パスタは、極細1mm以下のカッペリーニを採用。
  アルデンテに茹でたら、冷水で急冷。

5)冷やしたパスタを、たらこソースに十分に和える。
  冷やしたお皿の真ん中に高さを生むように置き、
  上に、ねぎかみょうが、そしてとんぶりを乗せる。
  さらのまわりに、トマトを一周ちりばめて、
  バジルソースは、トマトの上にだけ一周かける。

6)ぬくまる前に、食べきる。

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「考察」

なんで、こんなに美味いのかと思いました。
人生最高の、たらこパスタです。

マヨネーズにたらこをしがいて、かき混ぜる程度のパスタ
は作ったことがありますし、よくあるパタンです。

マヨネーズだって、油をオリーブオイル、
お酢をワインビネガーにして自家製で凝ることはできます。

今回のこのパスタを食べてみて、根本的に間違っていた
ことを悟りました。卵が入っちゃ、絶対に駄目だったのでした。
たらこだって卵、そこに鶏の卵は、確実に余計です。
たから、トッピングだって、畑のキャビアといわれる
「とんぶり」は合うけど、金があったって、キャビアじゃ
台無しなんです。

そして、お酢。この成分も不可欠ではない。

お酢と卵を除けるとしても、実はマヨネーズには
お酢のおかげで、使ってる油の割には、
油っこくないという利点もありました。

もともと、麺がからみやすい極細の冷製パスタ。
そこで麺をしっとり包むために全部オリーブオイルでは
もたれてしまう。

・・・これら全ての答えが、生クリームなんです。

「生のたらこ」と「生クリーム」
味を立てるための塩とにんにく、
わずかなオリーブオイル、
これだけで「たらこ」を堪能するソースになるようです。

カッペリーニによくからまり、調和のとれた爽やかな
旨味が咽喉に広がります。

さらに優れているのが、まわりのバジルソースとトマトです。
これだけで冷製パスタを「たらこ抜き」で作れます。

たらこ好きであっても、一杯全部がたらこだけだと、
だんだん飽きてきます。海苔をふったところで、それは
むしろ味を「海苔味」にしてしまっているだけ、
パスタを際立たせる味ではないはずです。もし合うなら、
岩海苔パスタとか定番化しているはずですよね。

バジルソース、トマト、どちらも、最高にパスタに合います。
それが決して「たらこ」ソースを邪魔しないように
まわりにお花畑をつくっている。

たらこソースに、バジルを合わせても、トマトをあわせても、
両方合わせても、とても幸せな気持ちにしてくれます。

そして、ほんとに彩りが鮮やかで涼やかで爽やかです。

薄ピンクのたらこパスタの塔に、赤と緑の街道が巡る。

そんな素敵な、冷製パスタです。


■■引用終わり■■
7月31日(月)

・白ワイン(昨日の残り)
・ごはん
・大根と豆腐とわかめの味噌汁
・刺身盛り合わせ
・からし明太子
・なすの漬け物

昨日パスタに使った明太子は、毎年お中元でもらう博多の料亭のもので、とってもおしいのだ。大人はもちろん、息子も大好物。Kちゃん、ありがとう。今日は普通にごはんと明太を絡めて食べた。たらこは偉大だ。

追記:昨日あたりから日焼け後の肌の痛みが痒みに変化してきている。やたら肌がかゆい。不気味に皮向けている。おまけに家族全員が沖縄でもらってきたと思しき風邪にかかってしまった。汚い音のする咳で仲良く合唱している。寝込むほどではない。最近免疫力が落ちているなあ。生活全般を見直すべきか。