料理ネタ


2008年2月

2月1日(金)

・ごはん
・いろいろ野菜と豚バラの鍋

鍋底に昆布を敷き、ごく少量の水を入れ、にんにく薄切りと中華スープの素を隠し味程度に加え、その上に好きな野菜をたっぷり乗せ(今晩は白菜、えのきだけ、ほうれん草、白ねぎを順番に重ねた)、さらにその上に蓋をするかのように豚バラを広げ、本物の蓋をして火にかける。いい匂いの湯気が立ってしばらくしたら出来上がり。たっぷり大根おろしを添えて、ポン酢につけて食べる。簡単だけど癖になるおいしさの鍋だ。普段あまりほうれん草を好まないゆういちろうも、この旨味をたっぷり吸った蒸しほうれん草は食べるのであった。

さきほどやっと英文原稿を投稿した。今回は助手さんに日本語論文を英語に直す作業を大幅に手伝ってもらった分、楽ができたと最初は喜んでいたが、やはり当たり前だが最後は自分で細かくチェックしなければならず、結局いつものようにぎりぎりの仕事になってしまった。いつものことだが、毎回なんでこんなに焦って苦しい思いをするのだろう。原稿書きの回を重ねるごとに少しは何かが進歩したらいいのに、毎回苦しいのは同じ。。。

今回投稿したカンファレンスは、採択率2,3割の難しいところで、もちろん私にとって初チャレンジ。採択されたらめっけもん。こう書くとなんだかすごく前向きにがんばっているように見えるが、実をいうと最初はいろいろ言い訳してどうせだめだから止めとこうと低きに流れそうになっていた。でも周りをみると、出すのが当たり前と思っている研究者の営みがしっかりとあり、何事も影響されやすい私はやるだけやってみようかという気分になったのだ。麻中の蓬状態。環境はすごく大事。

今晩は「おかあさん、お仕事したらあかん」というゆういちろうの寝ぐじを思いっきり無視して書斎にこもった。でもあまりこういうのを続けると思春期に取り返しのつかないほどぐれるのではないかと心配症の心配事が頭をもたげる。明日晴れたら公園でいっしょに飛行機を飛ばそう。
2月2日(土)

・日本酒
・ごはん
・鯛の味噌汁
・温奴、なめことポン酢をかけて
・きゅうりの漬け物
・おやつの残りの一口コロッケ・牛肉味(ゆういちろうのみ)

夫は研究会でいないため、ひさびさにゆういちろうと二人きりの休日であった。午前中はテレビや文庫本を読み、昼間は公園で遊び、夜はあっさりとした食事をとった。疲れがたまっているのかな、からだが少し重い。

31日締め切りの原稿が書けなくて困っている。今いただいている研究資金の出所の領域がおこなっているアンケート調査で、科学技術と芸術・文化の融合領域を発展させるためにどんなことをしたらいいか、いろいろな質問項目に自由記述で答えねばならないのだ。あたりさわりのないことを適当にかけば、こいつ何にも考えていないとなるだろうし、かといって国がそんなのをリードできるわけないじゃないかと答えれば、じゃあなんでおまえはここにいるのだということになる。

つまりこれは国費(税金)を使って研究をおこなっている者の覚悟が問われている。大型資金を獲得できて好きな研究に専念できてきゃ〜超ラッキー!!とだけ思っていれば済む話ではなくなってきている。まじめに考えれば考えるほど、えらいこっちゃという事態だ。

話は微妙にずれるが、世界的に見ればメジャーな研究ファンドのほとんどが軍絡みのものだ。夫の知り合いの先生は、旧東ドイツでアメリカの国防費から億単位の研究費をもらって研究を続けている。研究資金を大盤振る舞いできない小国に住むと決めた研究者は、外国の国防資金に頼らねばならないのが現実だ。その葛藤はすさまじいものがあると思うが、他の愚かな奴に使われるぐらいだったら自分が使ったほうがましだと、強い意志と自信をもって進んでいくしかないのだと思う。

その点、日本にいればそこまでの葛藤を今のところは抱え込まなくてもよい。それはとてもありがたいことだ。しかも私のいる領域は、芸術や文化というおそらくは戦争の対極にある人間の営みを大切にしているところだ。

書きながらだんだん話の主旨がずれていっているが、最近きな臭いニュースを耳にすることが多く、息苦しさや不安神経症的な考えに囚われてしまうことがある。だから浮かれていると足元をすくわれるぞとやたら用心深くなってしまっている。その用心深さのなかには、大上段に構えた憂国の徒のことばにそう易々と同調するわけにはいかないということも含まれる。けれどもこんな考え(=集団って怖い)にずっと囚われていたらさすがに病気になってしまう。困ったぞ。

でもここから先はポジティブな話。今日の芸術は基本的には個人から始まると思っている。個として集団とどう関わっているかを痛々しいまでに常に意識しているのが芸術家だと思う。だから個人として私は何をおこなうべきか考える際、芸術家の思想に触れることはとても重要なことだと思っている。
2月3日(日)

・日本酒
・太巻き
・味噌煮込みうどん
・鶏のおろし煮
・さざえのつぼ焼き

朝起きると雪がうっすら積もっていた。一日中冷え込みが厳しかった。ゆういちろうが朝方熱を出し、その後私も熱を出し、比較的元気だった夫も夕方急に熱が出た。夜になってみんなだいぶ熱が収まってきた。いったいなんだったんだろう。本日は節分の日。悪霊が内に入ってきては困ると、家族3人で南南東に向いて買って来た太巻きにかぶりついた。その他は夫が作ってくれた。温まるものばかりだ。

ほんとうは私には研究会聴講の予定が入っていたがキャンセルした。子どもが熱を出したからいけませんと朝連絡したが、雪の日の朝にこんなメールをして、果たして信じてもらえたのだろうか。今時の仮病の言い訳にしてはひねりがなさすぎると笑われていないだろうか。

昼間夫は新しい家の様子を見に行き、いそいそと日記にまとめた。表に見えない基礎の部分はこんなにがっちりと頑丈に作られているのだなあ。頼もしい。

あと今日うれしかったのは、ほぼ毎日チェックしている大好きなブログ「花笑み時」で、ケイロホルムというかわいらしい蘭が紹介されていたことだ。見た目と香りのよさに一目ぼれして、名前も知らずに、最近ある人に贈った花なのだった。ブログで花言葉は可憐、気だての良さ、清楚だということを知り、確かに彼女のイメージとも重なるなあとひとしきり感心した。
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2月4日(月)
・日本酒
・漬け丼
・豆腐とわかめの赤だし
・たけのことがんもの煮物

仕事帰り、私はお茶の飲みすぎか冷え込み過ぎかのせいでトイレに行きたくて仕方なかったが、ゆういちろうの保育園の迎えが閉園時間ぎりぎりなので我慢していた。保育園に着き、大急ぎで大人用のトイレを借りようとすると非情にも「故障中」の張り紙が貼られ、子ども用のトイレのなかの大人用を利用するようにと書かれてあった。反対側の子ども用トイレにダッシュすると、大人用トイレのドアになんと一本足の傘お化けなど水木しげるの妖怪達がうようよ書かれた張り紙が貼られてあった。なんでこんなおっかない絵を貼るんだ、トイレに入れないじゃないかと一瞬本気で怒ったが、ふと立ち止まって考えると、私は全く子どもと同じ目線に立ったものの考え方をしていることに気付いた。つまり妖怪の張り紙は、保育園の先生たちが自分たちのトイレ環境を守るため子どものいたずら防止用に貼ったものだということに気付いた。気付きは大切である。そうしたら全然怖くなくなったし、粗相することもなくことなきをえた。

夕食作りは夫主体で進んだ。がんもの煮物は、家で食べると普通においしいが、居酒屋で食べるとなんであんなにあたりはずれが大きいのだろうという話題で持ち切りになった。豆腐はおいしさを極めようとすればキリがない世界なのだろうが、だからといって積極的にとてもまずい豆腐なんて食べたことない。みな普通においしい。なのにがんも(とかさつま揚げ)は店で食べるとあんなに好き嫌いが出てしまうのだろう。。。


2月5日(火)
・スパークリングワイン(ハーフ)
・昨日の残りの煮物(少々)
・海鮮寄せ鍋
・〆うどん

本日懸案だったアンケートをようやく提出した。ムキになって書いた感じがばればれだ。ゆういちろうと私に風邪の症状が出てきている。汚い音のする咳が出る。気が緩むといつもこうだ。分かりやすいからだだ。なんだか毎日飲みすぎのような気がする。酒に呑まれないよう意識的に節制せねばな。

風邪をひく暇もない夫は3月に温泉に行くぞと、遠い目をしながら温泉地候補を調べている。私は山の温泉に行きたいと答えた。海の気分じゃない。

うっとりとする世界に引き込まれ、長崎に行くたびに三川内の窯元めぐりを始めた人間にとって、いいニュースが舞い込んだ。 4〜6日と東京・青山で三川内焼きの展示会が開かれているそうだ。明日までですが、もし関東で焼き物に興味がある方がいらっしゃれば、ぜひおでかけください。
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2月6日(水)
・回転寿司

東京一泊出張。昼間は小竹向原のアトリエ春風舎で青年団の全く若手とは思えない若手公演『革命日記』を観て、夜は下北沢の駅前劇場で山内ケンジさん作・演出の『新しい橋』を観た。『新しい橋』では小浜正寛さんがものすごく機転を利かせたアドリブを入れていた。後から古館寛治さんからおしえてもらった。主演の深浦加奈子さんは第3エロチカの看板女優さんだったことを下北沢からの帰り道をご一緒した方からおしえてもらった。やはり私はいつまでたっても素人である。『上野動物園再々々襲撃』でお世話になった俳優の羽場睦子さんと昼、夜の観劇が重なって「不思議なご縁ね、また会えるわよ」と言われてうれしかった。

公演のあいまに三川内焼きの展示会を見に青山に行った。普段の食卓で気軽に使える皿を買った。鬼百合がやさしく濃く描かれているのであった。うちにある三川内焼きはキーンとした感じのものが多く、たまにしか使えなかったが、これからはニュー三川内をがんがん使うぞ。

展示会で話し込んだりしたせいで、下北沢に開演時に近い到着となった。夕食は駅前の回転寿司屋で10分で食べた。


2月7日(木)
・日本酒
・ごはん
・豚汁
・あぶり子持ちししゃも

夕飯は家族といっしょにとった。夫が作ってくれていた。帰りの新幹線が窮屈でつらかっただけに、ほっとできる食事は本当にありがたいと思った。

午前中は、初台のICCでやっているサイレント・ダイアローグ展に行った。ヴァインベルガー夫妻を撮ったドキュメンタリー『生きようとする生命・ヴァインベルガーの芸術』(2007年 55分)に見入ってしまった。アーチスト紹介の説明書きには、「88年以降,ウィーンの自室で育てた荒地植物を街の各所に植える「ガーデン・プロジェクト」を実施,97年のドクメンタ10で大きな反響を呼ぶ.空地や道路脇など,普段はあまり顧みられない都市の隙間にこそ可能性があるとし,その環境に適応して繁茂する雑草を,自由と多様性の象徴として作品に用いる.」と書かれてある。自宅に雑草生(ざっそうふ)を生やすつもりの私たちにとって要チェックの芸術家だ。

午後は、渋谷のシネマライズでやっているドキュメンタリー『草間彌生 わたし大好き』を見に行った。同時発売の彼女の本には次のような詩があった。


  眠れぬ夜半

 かく程までに憂き愁いは
 人から傷つけられし心の傷は
 もてあまして 夜半にねむれぬとき
 この春の桜の花片の下に埋もれるのを忘れて
 ただ心の痛みに呆然として時が過ぎ去りぬ
 人の世はキツネとタヌキの棲み家にして
 人中に出れば おどろくことばかり
 人々は他人を傷つけて
 その傷を見て喜びぬ
 ああ 何という 現し世かな。

 この時に身をおいて
 ふとたたずみ 名もなき野の花に
 目をそそぐとき
 花片は陽の光を一杯すいこんで
 人に踏みしだかれし傷をかきいだき
 ただ黙しているのみの
 わが慟哭の涙はつきることもなし
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2月8日(金)
・赤ワイン
・ごはん
・トマトのスープ
・牛ステーキ、トマトしょうゆソース
・じゃがいものグラタン
・まいたけと長ねぎのカマンベールチーズ焼き

1週間分の疲れを取るために肉と乳製品中心の献立にした。トマトを加えることでこってり感は中和したものの、やはり食後は少し胃もたれてしまった。こんなに肉大好きなのに。。。胃袋に人格があるとするなら、10代や20代の頃のとは人格が変わってしまったようだ。

複数の締め切りに追われている。2月はあと残り5件。雑な仕事になっている気がして気が引けているのか、怖い夢を見ることが多い。わっかりやすいぜ、自分。もう少し抑圧機能が働けばよいのに。


2月9日(土)
・ごはん
・春雨入り中華スープ
・麻婆豆腐
・きゅうりの漬け物

今日は雪が降り積もり、家の廊下も息が白くなるほど冷え込んだ。あまりに寒いので普段は辛抱してつけない1階の和室のエアコンもつけた。それでもなかなか暖まらないなあと思っていたのだが、台所で湯を沸かしたりごはんを作ると、家の中が全体的に暖まってきた。こういうのはよいなあとしみじみ感動していたのだが、愚かなるかな、和室には冷房を入れていた。本日の夕食は、麻婆豆腐は夫、スープは私が作った。

ゆういちろうは生まれて初めてのリアルな雪景色に興奮していた。彼にとっては憧れの雪遊び。庭で雪だるまを作ったり、雪山トンネルを掘ったりした。写真をここにアップした。
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2月10日(日)
・鴨鍋
・〆うどん

数ヶ月ぶりに美容院に行った。少しギャルに近づいたような気がする。最近額上とこめかみ部分に白髪が増えたので、染めるとテキメンに若返る。美容院から帰ると夕飯が出来上がっていた。お姫様気分を味わった。

雪だるまは早くも融け始めた。鼻に見立てたどんぐりの笠が融け落ちて首のあたりでかろうじて留まっていたりするなど、かなりグロテスクな様相。みたまんまの物事がしょっちゅう夢に出てくる私に対して、夫は、くれぐれも「腐りかけた男が出てきた」と言って夜中に起き出さないでくれと念を押した。ゆういちろうはとても残念そう。どうやったら融けるのを止められるか私たちにしつこく質問した。「無理」と言ってもなかなか聞き入れない。


2月11日(月)
・日本酒
・ごはん
・魚介と野菜の鍋

日中はコートが必要ないほどぽかぽか陽気だった。本日おかげさまで、無事に上棟式の日を迎え、棟梁さんを初めとする大工衆、工務店の方々、奥村ご夫妻とともに滞りなく式がすんだ。たくさん面白い話を聞くことが出来た。プロの方々のお話は本当に面白くて奥ゆかしい。「技」の話に関してはおいおいここでも触れていきたいと思う。足場を歩く姿が見事だったまだ10代に見える若い大工さんが実は棟梁の息子さんだったり、書きたいことが山ほどある。

とはいえ本日仕入れた一般的な「豆知識」のほうは、忘れるといけないので、書き留めておこう。

その1。昔の施主は、上棟式はもちろん普段の食事も大工さんに振舞うことが多く、酒代が建築費よりも高くついたケースもあるらしい。

その2。関係者の名前を書いた弊串(ヘイグシ)と呼ばれる札を立てるのだけど、そこに「おかめ」のお面が大きく真正面についていて驚いた。ここによると次のような由来があるらしい。
--------引用始め----------
宮崎駿のアニメ「となりのトトロ」で、屋根裏に「おかめ」のお面が出てくるシーンが一瞬映ります。
関西以外の人があれを見ても、「???」ではないでしょうか。

実は、関西では弊串(ヘイグシ)に「おかめ」の面を付けるのが一般的なのです。呼び名も、「おかめ御幣」と言います。

その由来は、京都市上京区にある千本釈迦堂にあります。
千本釈迦堂には「おかめ」にまつわる、こんなエピソードがあります。

千本釈迦堂の本道(右写真)は鎌倉時代の1227年に建てられました。
その本堂建立をまかされていた大工の棟梁が、間違って柱を短く切ってしまいます。
どうしたらよいかと途方にくれていたところを、妻・於亀(おかめ)の助言でことなきを得、見事立派な本堂が完成しました。

しかし、女の入れ知恵で完成したといわれては主人の恥とばかり、完成を前にして於亀は自害して果てます。
人々は於亀の女心のいじらしさを憐れみ、おかめ供養塔供養塔を本堂の前に立てました。
(チョッと今の時代からは考えられない話ですが‥‥)

それから後、室町時代の応仁の乱は京都を戦場に11年間も続き、ほぼ京都の街全体が壊滅状態になってしまいました。しかし、千本釈迦堂の本堂だけは奇跡的に残りました。
応仁の乱以後も、大永の乱、享保の大火でもその戦禍、災難を免れ、市内の寺院としては最も古い本堂となっています。

このため関西では「おかめ」が主を陰で支える家の守り神として上棟の際に小屋裏に収めるようになりました。
--------引用終わり---------

式は日中に終わったので、夕食はほっと一息つきながら静かにとった。
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2月12日(火)
・日本酒
・ごはん
・春雨入りスープ
・刺身盛り合わせ
・焼き鳥
・青梗菜の塩炒め
・納豆

前日の鍋の残りのスープを再利用したり、賞味期限の切れた納豆を出したり同じく賞味期限の切れた生の焼き鳥用セット(ねぎま)を焼いたり、数日前に手に入れた青梗菜を炒めたり、とにかく冷蔵庫のなかをきれいにした。思った以上ににぎやかで楽しい居酒屋風の食卓となった。当たり前だが多少のことではお腹はなんともない。

前日の陽気とはうってかわり冷たい雨が降った。一日ずれてたら上棟式は悲惨なことになっていたと思う。ぎりぎりセーフ。


2月13日(水)
・スパークリングワイン
・カルボナーラ
・ミネストローネ
・きんぴら大根

当初の予定だったイタリアン系の献立に加え、昨日の刺身盛り合わせについてきたツマが大量に余ったので、夫が機転をきかしてごま油で炒め即席キンピラ大根にした。スープには冷蔵庫の残り野菜を放り込んだ。食材を無駄にしなかったという気分のよさも手伝ってか、自分でいうのもなんだが、そういう肩の力が抜けているときにおいしいものができるんだな。

大寒波がやってきているらしい。家のなかでも暖房をつけていない部屋では息が白くなる。最近生野菜を全く欲しないが、自然の摂理にかなっているのではないか。普段は「だっこして」と言われても「今忙しいから後で」と答えることが多いのだが、今日は寒いので暇を見つけてはゆういちろうを膝の上に乗せたりして暖をとろうとしたが、不純な動機はすぐばれるのだろう、すぐに窮屈な顔をして離れていった。

仕事のページをひさびさに更新した。業績リストを最新のものにしたり、英語のページも書き加えたりした。一番の変更点は、連絡先のメールアドレスを公表したことかな。いままで公表することの負の側面ばかり心配していたけど、あまり意味がなかったように思う。なぜなら思い切って辻田家のトップページに専用メールアドレスを公表してからほぼ1年、いまだ誰からも連絡が来ないんだもん。
2月14日(木)

・白ワイン
・ごはん
・昨日の残りのミネストローネ
・たちうおのカルパッチョ
・ポテトグラタン、キムチを添えて
・カプレーゼ

グラタンとキムチがとても合うことは、ジョン・キョンファさんの「きょうも、おいしかったね」に教えてもらった。それにこの本を読むとおいしい知識が得られるだけでなく温かい気持ちになる。好きな料理本の1つだ。

今朝ふたりの時間があい職場まで夫の車で送ってもらえたのだが、車のなかで日本放送の話ついでに、中島みゆきの「ファイト!」という曲がオールナイトニッポンの投書をもとに作られたという話になった。さらに中島みゆきファンの夫は、「伝われ、愛」(新潮文庫)のなかの、どもりの少年からの投書の内容を紹介してくれた。親の都合で学校に行けなくなり制服を泣く泣く燃やした話など、朝からもらい泣きしてしまい、傍から見れば別れ話を持ち出された女のようで、玄関で車から降りるのがかなり恥ずかしかった。

帰宅後さらに追い討ちをかけるかのように、ブツである文庫本を差し出された。小狼というペンネームを持つその少年の手紙には、心根のやさしさがそのまま現れていた。10代の少年のきれいなこころ。書き写さずにはいられない気持ちになったので、かなり長くなるが手紙をいくつか引用する。

 中島みゆき様
 この手紙を、ほんとうにみゆきさんが読んで
 いてくれるのだろうか。
 親展と書いておいたって、放送局の人が読ん
 でいるのかもしれない。
 他の人が読んでいるなら、それでもいいで
 す。ただし、放送では読まないでください。
 学校の者が、たぶん聞いていると思うので。
 今日はうれしいことがあったのです。だから
 みゆきさんに聞いてほしかったのです。
  俺は、他人とはいつも、ほとんど話をしま
 せん。俺は、すごくどもるからです。なにか
 言おうとすると緊張してきて、頭がぼーとな
 って、何を言ってるのかわからなくなります。
 それで、だんだん話をするのがきらいになっ
 てしまいました。
 学校では、たいてい一人でいるので、みんな
 俺のことを根暗だとか陰険と、言います。
 みゆきさんはいつもラジオで、ペラペラとし
 ゃべれて、いいですね。どうやればあんなに
 しゃべれるようになるんですか。
  俺は今、中学二年です。他人に話すとバカ
 にされるので秘密ですが、将来は、できれば
 みゆきさんのように、音楽をやって食べてい
 きたいと思っています。
 みゆきさんは、将来何になりたいと思ってい
 たのですか。やっぱり歌手ですか。
  俺は、歌っているときはどもらないので学
 校から帰るといつも、俺の部屋で、いろいろ
 な歌を歌います。みゆきさんの歌では、「海
 よ」が一番好きです。
 そしたら今日、近所のおばあさんに会ったら
 「いつもええ声やね」と言ってくれました。
 ただそれだけなのですが、すごく俺はうれし
 かったので、手紙を出したくなりました。
 みゆきさん、喜んでください。
 俺も近日デビューです!(というのは冗談で
 すが)
 なんか、文章がムチャクチャで読みづらくて
 すみません。とにかく、みゆきさんに聞いて
 もらいたかったのです。
 また、なにかあったら手紙を出してもいいで
 すか。
                 匿名希望
                 ペンネーム 小狼


 中島みゆき様
 みゆきさんは、なりたいものになれていいで
 すね。
 自分の好きなことを、仕事にできる人間なん
 か、ごく少数しかいないんですよ。
 俺だって、夢はありましたが、音楽をやるに
 は才能もないし、親父の新しい仕事が、なか
 なか決まらないので学校も、やめてしまった
 ので、飛行機の技師にもなれません。
 最近は、とにかくバイト、バイトです。
 しかし、弟のほうが俺よりかずっと、かせぐ
 のです。俺だってがんばっているのに。
 「お前は、要領が悪いんや」と、家の者はい
 つも言います。
  今日だってゴミ捨ての場所のことで、店長
 に注意されたのですが、あれは俺じゃない。
 俺のあとでゴミ捨てに行った、別な店のだれ
 か、横にどけたんだ。
 だけど俺はちゃんと言えなかった、どうせ信
 じてくれないから。それに俺は、どもるから。
  俺はこのまま、どうなっちまうのかなあと
 ぼんやり思います。
 「海よ」を聞いています。坂口安吾もいいで
 す。みゆきさんも読んでみてください。
                  P・N    小狼


 学校に行かないのだから制服に、火をつけて
 やった。
 どうせもう必要ないのに、ぐずぐず気にして
 ばかりいるから、思いきって焼却炉の中に、
 つっこんでやった。
 こうすれば、俺はいつか学校へ戻れると思わ
 ないようになるし、友だちをうらやましがっ
 たり、ねたんだりしなくなると思った。
 しかし俺は、それさえできなかった。
 ほとんど燃えてしまった制服の、火を急いで
 踏んで消して、俺はやっぱり、泣いた。
                    P・N    小狼


 中島みゆき様へ
 みゆきさんの特集がのっていた月刊Aを買っ
 て、読みました。
 はっきり言って、少しがっかりしました。
 みゆきさんは、全部、つくりごとで歌を書い
 ていたんですか?
 本に、ちゃんとそう書いてありました。
 すると僕たちファンは、あなたにうまくだま
 されて感動させられていたんですか?
 なんだか、もう、みゆきさんのレコードを買
 う気がしなくなってしまいました。
 僕の言いたいことは、これだけです。
                   P・N    小狼


 中島みゆき様
 どうしたんですか?
 きのうの放送を聞いて、驚いてペンをとりま
 した。あんなに元気のない声をしたみゆきさ
 んは、初めてです。何かつらいことがあった
 んですか? だれかに、いやなことでも言わ
 れたんですか?
 早く立ちなおって、いつもの元気な声を聞か
 せてください。
  僕は、以前みゆきさんに、ひどいことを書
 いた手紙を出した者ですが、あれはみゆきさ
 んに、きのうみたいに元気をなくさせようと
 思って書いた手紙じゃないんです。
 あの手紙をポストに入れて帰ってから僕は、
 自己嫌悪におちいって、もう二度とだれにも
 手紙を書くことをやめようと誓いました。
  しかし、たかが一ファンの僕の手紙ぐらい
 で、みゆきさんが落ちこむはずはないでしょ
 うが、もし一万分の一でも原因になっている
 としたら、あれは、僕のつまらないやつあた
 りだと思って、気にしないでほしいのです。
  あのころ僕は僕の信じていたものが次々に
 崩壊し、何もできない自分にハラが立って、
 何か自分が正しいと思うものがほしかったの
 です。しかし僕には、人を傷つけることしか
 できなかったのです。
  虫のよすぎる話ですが、僕のせいかと思う
 と、毎日つらくてたまりません。
 早く元気になってください。

     P・S  僕もいろいろありましたが、今は
          家を出て、働いています。
          もう少しおちついたら、また手紙
          します。

                                        P・N    小狼
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2月15日(金)
・ごはん
・なめこと豆腐の味噌汁
・鶏の酢照り焼き
・ひじきと大豆の煮物
・はんぺんのバター焼き
・春雨の酢の物

酸っぱいものが食べたいと言った夫が酢関係のものを作り、後は私が作った。いっしょに作ると早く出来上がるのでよい。

奥村まことさんと工務店と公団の方々を交えて、私たちの家のことで話し合いをした。どんな結果が出るのだろうか。「公共性」と「私欲」の関係について考えはじめてしまい、夜の寝つきが悪くなった。私たちにはあきらめない知恵が必要だ。この問題がクリアできたら、私たちの家は、非常に大げさな表現をさせてもらえば新しい循環型社会の象徴(もちろんほんの小さな小さな)としても機能するだろう。話し合いの内容が公表できる段階に来たら、ここでも触れようと思う。


2月16日(土)
・まぐろキムチ丼
・じゃがいもとたまねぎの味噌汁
・ひじきと大豆の煮物(昨日の残り)

キムチが食べたくなり、またもやジョン・キョンファさんの「きょうも、おいしかったね」に世話になった。ここのところなぜか乳製品やキムチを無性に食べたくなっていたが、ふと立ち止まって振返ってみるに、花粉症対策の広告にすっかり無意識的に影響を受けていたのではないかと思われる。社食のテーブルのうえにも確か乳製品やキムチの写真広告があったはず。これからは意識的に行動するぜ、私の免疫機能よ、暴走するな。

午前中は保育園の保育参観とクラス懇親会に出席した。親ばかながらずいぶんと大きくなったなあと思う。懇親会で来年度役員を決めたのだけど、みんなでカレーを作ったりして楽しそうだったので我が家はお泊まり会の役員に手を挙げた。
2月17日(日)

・海鮮鍋
・〆卵雑炊

ふだんの最低限の家事以外に、家のなかの懸案事項をひとつひとつ片付けていった。まず最初にやったのは、腕や尻尾や首がちぎれたりちぎれそうになっていたぬいぐるみ3匹をちゃんと縫い付けたこと。次に和室に放り投げたまんまの洗濯物の山を折り目正しくたたんだ。夕食準備前に、台所の牛乳パックを切り開き、ビール缶を洗って一所に集め、空き瓶も屋外の所定の位置に安置。気持ちいい。

ところがゆういちろうは母親の関心が外れて不満だったのかもしれない。ペンダントをちぎられた。この1週間で2つのペンダントがちぎられるという被害にあった。自分ではそんなに放っておいたつもりはないのだが、夫の目から見ても私の無関心ぶりが鼻につくらしい。しばらくは装飾品を身につけないようにして、様子をみよう。
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2月18日(月)
・赤ワイン
・キムチスパゲティ
・野菜スープ
・ポークソテー、きのこソース

この日もまたジョン・キョンファさんの「きょうも、おいしかったね」のなかからキムチ料理を作った。たらこスパゲティにキムチを加えたようなスパゲティは、普通のたらこスパゲティよりもぐんとおいしかった。このミックス感覚はたまらなく好きだ。ちなみに花粉症に効くとされるのは、乳製品ではなくて乳酸菌だった。広告の見間違いだった。失礼しました。

ポークソテーは夫が作ってくれた。豚のステーキ肉を焼くたびごとに、夫は小さい頃父親目当てに遊びに来ていた黒人のジョンのことを思い出すという。

ワンダラウォッチをくれた気のいいおじさんだったそうだ。ジョンは父親のことをかつてのコードネーム、ラッキーと呼び、父親はうちでジョンのことを語るときクロンボと呼んでいた。それでも、犬の名前のようなラッキーとクロンボジョンは親友どうしで、父親が佐世保の米軍通訳を止めた後も休暇のたびごとに自宅にやってきた。ジョンはベトナムに赴任することを告げて以来、音信不通になった。きっとかの地で戦死したのだろう。父親がその後安保闘争に加わったり、投獄・釈放後飲んだくれて暴れたのは、きっとジョンのことがあるに違いないと夫はいう。

私は、差別用語を使わないよう細心の気を使うくせに当の被差別の人たちには実のところ無関心であるような人たちよりは、月並みな表現だが肩を寄せ合うように友情をはぐくんだラッキーとクロンボジョンのほうが圧倒的に好きだ。


2月19日(火)
・日本酒
・ごはん
・昨日の残りのスープ
・さばの塩焼き
・まぐろの山かけ

とにかく魚が食べたいと主張する夫が自分で作った。さばの塩焼きにはたっぷりと大根おろしと貝割れが添えられ、野菜も十分に食べることができて私もうれしかった。

職場で賞味期限切れ食品のこわい話を二つ聞いた。

ひとつは、チーズ好きの同僚の話。賞味期限が近づいたチーズは安くなるし、旨くなっているものが多いので、いつもようにお気に入りのチーズをカゴに入れてレジに行ったら、お店の人から「お客様、申し訳ありませんがこのチーズはお売りすることができません」と言われたそう。夜12時を過ぎたことで、賞味期限が10分ほど切れているからというのがその理由。カゴに入れたのは12時前だからぜひ売ってくれ、文句は絶対に言わないからとごねまくってようやく手に入れることができたそうだ。

もうひとつは、もっと怖い話。別の同僚の友だちがコンビニで買ったおにぎりのことをすっかり忘れて、車のダッシュボードのなかに放置すること5日間。はっと気付いて恐る恐る袋の中身を見ると、あら不思議買った当事のきれいなまんま。しかもパッケージには大きく「無添加」表示。現代のまじない、マジカルケミカルパワー!!

■追記
興奮するとやたら体現止めが多くなり、いくぶん扇動的な表現になってしまった。読み返してみるとあらが目立つ、いかんいかん。反省もこめて、ネット上で有用な情報がないか調べたところ、コンビ二のおにぎりを放置して腐敗度合いを調べる「そのまんま」のサイトを見つけたので紹介します(ここここ)。

(かえって余計に扇動的に受け取られてしまうかなあ。。。私自身は疑ってばかりじゃ疲れるし、かなり毒々しいものも適当に好き好んで食べている。でもなあ、でんぷん質が一ヶ月も腐らないなんてやっぱり異常だし。。。と、心は揺れる)
2月20日(水)

・スパークリングワイン(少々)
・ごはん
・ビーフシチュー
・クレソンとマッシュルームのサラダ

シチューは作るのに時間がかかっても食べるのはあっという間だ。心して食べよう。

今月末締め切りの原稿が思うように進まず苦しんでいる。気持ち的には七転八倒しているのだが、行動のうえではたんにへらへらしているだけだ。へらへらしている間に閃光のように素晴らしいアイデアが舞い降りることを期待しているのだ。あー、へらへら。ほー、へらへら。ぷ〜

そういえば奥村先生は、ご自身の学生時代のことについて雑誌に次のように語っていた。

「まず僕は美術学校に入る前に、海軍機関学校にいました。4ヶ月で終戦となりましたが、学校には600人も教官がいて、そのなかに一人だけデレデレした人がいた。それが清家清だったのです。ほかの人はピシとしていて、美男子ばかりなのに、一人だけデレデレと歩いていた(笑)。数学の先生でした。その後、清家清という売り出し中の設計屋さんがいると聞いたから、「あの人か」と呆れましたね(笑)」 (建築知識、2006年11月号、特集「科学する建築家 奥村昭雄を知る」より抜粋)

あのワンルーム住宅<私の家>で著名な清家清先生もデレデレしていたのだ。しかも戦時中に。いい話だなあ。目標だなあ。ぷ〜
2月21日(木)

・ごはん
・昨日の残りのシチュー
・もやしと青葱の炒めもの

残りもののシチュー以外には冷蔵庫に残っていたもやしと青葱を炒めただけの簡単な献立にした。もやし炒めは家族全員が大好きな料理で、余計なことをせずサラダ油でさっと炒め塩コショウするシンプルさがポイントだ。

中途半端に忙しいときは悪夢を見るが、それを通り越した最近はうっとりする夢ばかり見る。例えば、ここは竜宮城かと思うくらいの素敵な反物が目の前に現れたり、心のなかで観音様か女神様のように慕っている人が出てきて、その人の腕の中にずっと抱かれていたり。朝目覚めた後もしばらく恍惚な気分に浸れる。きっと私の脳みそばら色だ。
2月22日(金)

・ごはん
・じゃがいもとたまねぎの味噌汁
・回鍋肉
・温泉卵入り納豆
・キムチ

昨日、今日と夫の帰りが遅く、ゆういちろうと二人で食べた。妙に懐かしい味になった。実家ではいわゆる中華料理や韓国料理が出ることは滅多になかったのにどうしてだろう。一人暮らしをしていたときに覚えた味というわけでもない。でも、とにかくとても懐かしく感じるのだった。不思議。

疲れているのか夫の顔色が悪い。話を聞くに、私の5倍以上の仕事量を抱えている。パンクしなければいいのだけど。

■追記
ヴァーチャル・リアリティ学会の大会運営委員会に出席した。奈良先端大にて。学会の運営委員なんて初めての仕事のうえ、VR学会の会員でもない身の上。なにがなんだか分からないことだらけだった。でも実をいうと、こういう状況は好きである。退屈しているより右往左往していたいから。
3日分まとめて更新!

2月23日(土)
・赤ワイン
・宅配ピザ

龍谷大学で開かれた法と心理学関係の研究会に出席した。大変重たい内容で、帰宅後もぐったりしてしまった。夕飯を作る気が起こらず、宅配ピザを頼んだが、胃もたれした。でもこんなことなど、吹けば飛ぶようなどうでもいいことだ。それくらい心が痛む内容だった。


2月24日(日)
・魚介のスパゲティ
・かぼちゃのポタージュスープ
・ベビーリーフとマッシュルームのサラダ

前日から引き続きぐったりしてしまい、長時間昼寝した。それでも疲れがとれなかった。夫が指定した献立をメイドロボットになった気分で作った。スパゲティはあまりおいしくできなかった。めずらしくゆういちろうも残した。「心ここにあらず」の状態で料理したらやっぱりだめだな。。。


2月25日(月)
・いくら丼

夫の帰宅が飲み会で遅くなるため、ゆういちろうと二人で駅前のイーオンで食事した。忘れた頃に便利だからつい行ってしまうのだが、イーオンで食事すると決まってイライラしてしまうのだった。多分に音響設計のまずさにあるのだと思う。隣のテーブルの声は丸聞こえなのに、店員さんを大声で呼んでもなかなか気付いてくれない。私は確かにノイズに対するロマンチックな好みがあるけど、ものには限度というものがある。それぞれの店が好き勝手に出す音楽によってがんがんの不協和音が響くのは、やはり耐え難い。決めた。これからはもうイーオンで食事をしないようにしよう。

奥村まことさんからずしっと重たい封筒が届いていた。なんだろうと思って開けてみると屋根の見本帳だった。第1候補が深いワインレッド色の屋根。これっきりだなんて言わせない、恋の予感のする屋根! ワインレッドの心ですよ。楽しみだなあ。第2候補は、チョコレート色。これまた好きな色で、今の鞄はミルクチョコレート色だし、歴代の私の鞄はたいてい深みのある茶色が多かった。将来の家のことを考えるとすっかり気持ちが晴れた。ありがたいことである。
2日分まとめて更新!

2月26日(火)
・日本酒
・ごはん
・あさりの味噌汁
・ぶりの照り焼き
・がんもとたけのこと絹さやの煮物
・大根とトマトのチーズ焼き

誤って大根を買い足してしまい、数日前から冷蔵庫に1.8本の大根が住み着いていた。この日は「創作料理」に挑戦したい気分で、0.8本分を太めに輪切りし、塩コショウしてから、ガーリックオイルで焼き色がつくまでソテーし、それに前々日スパゲティ用に作ったトマトソースの残りとピザ用チーズを乗せ、180度のオーブンで20分ほど焼いた。ちょっとしゃきしゃきすぎるかなと思ったが、まずまずの出来だった。大根はなんにでも合うのだな。

それ以外の料理は夫が作った。おいしかった。自分たちで作って食べることが気分転換というか現実逃避になっている気がする。食べすぎの感あり。


2月27日(水)
・日本酒
・海鮮鍋
・昨日の残りの大根とトマトのチーズ焼き
・〆うどん

大根とトマトのチーズ焼きは昨日よりぐんとおいしくなっていた。昨日は箸をつけなかったゆういちろうも今日は進んで食べた。オーブン料理ってできたてのほうがおいしそうな気がするが、素材によるのかもしれない。少なくとも大根は味を吸った翌日の、あつあつというよりほどよく冷めたもののほうがおいしい。

ここのところ夫から冬のゴキブリ呼ばわりされることが多かった。寒くて動作が異様に緩慢になってしまうのだ。それが原因で、今朝は夫婦喧嘩した。気持ちの上ではゴキブリというよりもカマキリになっていたのではないかと思う。心のなかで思いっきり鎌を振り上げて彼に対抗した(こんな感じ)。

でも、仕事から帰ると、お互いに何もなかったかのように普段どおりに食事した。今朝は確かにカンカンに怒っていたのに、この忘れっぽさは自分でも大丈夫なのかと思う。やはり昆虫脳化しているのか。
2月28日(木)

・日本酒
・きざみうどん
・刺身少々
・ほうれん草の胡麻和え
・きんぴらごぼう

うどんは私、それ以外は夫が作った。うどんのおつゆは市販のつゆのもとを使わず、弱めの中火でだしをじっくりととった。滋味深い味になった。ほうれん草の胡麻和えも、市販のつゆのもとやすりゴマパックを使わず、すりこぎですりおろした胡麻に砂糖醤油を加えたら、いつもはほうれん草を食べないゆういちろうも進んで食べた。結局はほんのひと手間を惜しむか惜しまないかの差なんだな。で、普段の食事準備ではそのひと手間をどう省くかばかり考えているのだな。何か得たいの知れないものに追いつめられているとしか思えない。車の追い抜き運転と同じかもしれない。ちょこちょこ追い抜き運転をしても大して先に進めるわけでもなく、危なかったりり渋滞の原因を作ったりするだけの、虚しい行為だもんなあ。

原稿が進まない。原稿の神様は、かっこいい文章を書きたいという虚栄心の塊りのような私のところにはきっと降りてきてくれないのだ。もっと素直に伝えたい気持ちが出てくるまで待たないといけないのかもしれない。初のコラム原稿。気負いすぎてパンクしております。
2月29日(金)

・懇親会メニュー(ピザ)

こころとからだ研究会に出席するため滋賀県立大学に向かった。発表は細馬研の城綾実さんで、ジェスチャーの同期現象がテーマだった。自然物理と人間行動の同期現象を理論的に結びつけるためにああでもないこうでもないと日々考えている身としては、テーマ設定にとても共感できた。あと現象を「見る」ことの難しさも(これが一番の難しさだ。情熱と受苦ね)。松嶋秀明先生もいらしていた。文献上で存じ上げていた方と思いかけず実際にお会いするのはとても不思議な感じがする。

彦根の町に早く着いたので散策していたら結局時間がなくなってしまい、大慌てでタクシーに乗ったのはいいが、運転手さんからひこにゃんの自慢話をたっぷり聞かされ、あげくに会場となる棟はこちらのほうが近いからと大学正門からかなり外れたとても寂しい場所に降ろされ、えらい目に逢った。

ま、こちとら自慢じゃないが、奈良には平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターの愛称募集中なんだぜ。でも各方面で物議をかもしているらしい(例えば、ここ)。私は意外とすんなり受け入れられたのだけど。感覚がヘンなのかな。