料理ネタ


2005年11月

11月1日(火)

・ロゼワイン
・昨日の残りのシーフードカレー
・トマトとゆで卵
・もずく
・梅干

ますますカレーづいている。

午前中11時過ぎごろ、会社の同僚から、「そんなにアジャンタに行きたいんだったら、車を出しまっせ」という内容のメールが届いた。万歳、ブラボー!!全く予期していなかっただけに感激もひとしお。というわけでギャル3人でアジャンタでランチをしてきました。しかも12時過ぎたら混むということで、早めに出発するという英断までして。一人は初対面の方。そういえばメールくださった方とも、いっしょにお昼を食べるのは初めてだ。階が違うからなかなか昼時は会わないのだ。

女が3人集まると男の人には絶対言えないこわい話題になってしまう。 というのは嘘で、さわやかに毒づいて(余計こわい?)、カレーパワーまでもらって、元気になって帰りました。

この日記を書き始めて以来、もっとも直接的に「得」した気分になりました。どうしよう、おねだり大魔王になったら。くせになりそうだ。
11月2日(水)

・白ワイン
・ごはん
・大根と三つ葉のお吸い物
・うなぎの蒲焼
・なすとキャベツの焦がしにんにく炒め、ごま油と焼肉のたれ風味
・茹でアスパラガスの酢味噌和え
・梅干

昨日も今日も(そして明日も明後日も、そのまた土曜日も)夫の帰りは遅く、息子と二人で食事。そういうときはできるだけ手抜きをしようとするのが主婦の正直な気持ちだ。今日の献立は、ネーミングこそもっともらしく聞こえるが、市販の酢味噌だれや焼肉のたれを使った楽ちんメニュー。肩の力が抜けていて、私も息子も大好きな味になった。
今日の発見は、息子が箸を上手に持って梅干をつまめるようになったこと。特にうちで教えているわけでもないのに。きっと保育園効果だな。

最近、テンプレートとしてwordファイルががっちりと指定された、枠がちがちの原稿に取り掛かっていた。多くの人の同意が得られると確信しているが、 wordって、人のやる気を削がせたら天下一品のことを、手をかえ品をかえしてきやがるのである。

インデント機能はうっとおしいことこの上ないが、相手が何をしたいかまだこちらにも理解可能なので、なんとか大丈夫な部類に入る。ところが、それ以外にも摩訶不思議な、いったい何をしたいがためにこんなことをしてくるのだろうという機能も盛りだくさんで、どう設定をいじくったらその機能が解除されるのかも往々にして分からない。ひとの精神の暗闇を覗き見るような怖さがwordには確かに存在する。

このようにひとりでモニターを見ながらウッキーーーとなっていたところ、似たような原稿をかかえたmixi仲間のひとりが、同じような気持ちを日記を載せていた。大反響だったので、許可を得て一部ここにも引用する。

-------------引用始め---------------

wordなんか、発狂寸前だ。 
MSの人は皆さん使ってるのかな?
使い慣れて継承されていけば、細かいノウハウを含め、
「何をやってるか分かる」だろう。
しかし、今のword・・・非常に残念ながら、
さっぱり分からない。分かろうとする気力すら霧散する。
excelも、機能肥大化の弊害ばっかりな気がする。

wordなんて、あれリアルに人間なら、余計なこと
しまくって何もかも台無しにして、みんなから
村八分にあいませんか?

---とマイナスを連ねると、びぃーーっと 
一本の線にしたりする。
それ自体は、30歩くらい譲ってOKとしましょう。

でも、この線が消せないのよね。
Delとか、普通の消し方で。。。

MSが消費者ローンとか始めたら、
恐ろしくてCMすらチャンネル変えます。
一度借りたらどうやっても返せないうちに
利子だけ脹らむかと(怖)

-------------引用終わり--------------

私の仕事に対するあつい情熱をこんなにまで冷めさせたのは、他ならぬwordのせいであって、怠惰な性格のためでは決してない。ここに断言する。(←自分よ、みっともないのでお止めなさい)
11月3日(木)

・白ワイン
・ごはん
・コーンクリームスープ
・グリルチキン、たっぷりサラダ添え
・ポテトグラタン

文化の日。休日。夫はたまたま早く大学から帰ってこれたため、夕食はいっしょにとった。ただ、疲れた、しんどいを連発。無事乗り切ってほしい。

グリルチキンは大ヒットだった。ガスコンロの下にあるグリルは、魚や野菜を焼くためだけにあるんじゃないのね。塩こしょうをまぶした鶏のもも肉を皮目から、普通に魚を焼く感覚で焼いていくだけなんだけど、皮がぱりぱりに美味しく焼けて、中もふっくら、余分な油も落ちていうことなし。土井善晴さんのアイデア。『土井家の一生もん、2品献立』は最近買った料理の本のなかでぴか一の登場頻度をほこっている。

あともう少しで3歳の誕生日を迎える息子のいたずらもどんどん活発になってきている。生クリームパックを振り回し、8分立てに固めてしまったり、壁に落書きしたり。「おかあさん、雨!」というものすごくほこらしげな声で呼ばれて現場まで行ってみると、リビングの壁にボールペンで霧雨状の線がびっしり描かれていた。画用紙に書くより垂直の壁に雨を表現したい気持ちはほんとよく分かるし、絵それ自体にも味があって褒めてあげたい気もしたが、芸術家のアトリエならいざしらずここは現状復帰で出て行くことが前提の貸家なのである。しばし気持ちはひるんだが心を鬼にして、「絶対ダメ!壁に書いたらダメ!」と叱りつけた。本人は一瞬「え、なんで?」といった哀しそうな目をし、そのあとふてぶてしい反抗的な態度をとったので、強権発動しておしりと手の甲をぶちました。

私のこの行為はよかったのかどうか今でもよく分からないけど、息子の様子を見ているとそれくらいでだめになってしまうような子どもでもないと思うので、「まいっか」とも思っている。ただ、思いっきり奔放に絵を描いてもいい環境で育てることが出来たらなあと強く思う。
11月4日(金)

・日本酒
・ごはん
・じゃがいもとたまねぎの味噌汁
・カレイび煮付け、たっぷりわかめ添え
・ほうれん草の白和え
・アスパラガスの酢味噌和え
・プチトマト
・梅干

昨日とはうってかわって和風の食卓にした。夕食を担当するようになって思うのだが、自分の好きな献立にできるのはうれしい。魚の煮付けは食べたいときはとても食べたいが、食べたくないときに煮付けが出ると、テンションが下がったりするから。

息子は私とふたりで食べているとき、味噌汁以外ほとんど箸をつけなかった。その訳は、夫が10時ごろ帰ってきてやっと了解。なんと、父親を待っていたのである。なんだかほろりときてしまった。
11月5日(土)

・赤ワイン(私)・ウーロン茶(息子)
・トマトのサラダ
・牡蠣のオーブン焼き
・えびとほてたのスパゲティ、アメリケーヌソース
・牛フィレ肉のソテー、セサミソース
・コーヒー(私)・ミルク(息子)
・ごはん
・納豆

夫の帰宅が遅くなるのが最初から分かっていたので、近鉄奈良駅前で前から気になっていたイタリアンに息子といっしょに行ってみた。念のため入店時に子ども同伴OKであることを確認して、カウンター席で二人並んで食事。途中、息子は手をつないで食べることを要求してくるなど、ひさびさにどきどき感を味わった。そこまではとてもいい経験。

だけど、残念ながら味のほうは。。。。売りがひとつもないのである。まずい要素はひとつもないんだけど、決して「おいしいー!」とは口が裂けてもいえない。お店の人も感じ悪くはないんだけど、店の格の割りには気取っていて、私の好きなタイプのサービスではない。。。。駅前の一等地ということもあり、結構値段設定はお高くて、余計に欲求不満が高まる。一皿の量も少ないし、さらに欲求不満が。

早々に店を出て、駅のなかのスターバックスで食後のコーヒーを頼む。うちに帰って、二人で納豆ごはんを食べた。息子のお腹も満たされていなかったようだ。

誤解のないよう言っておくが、私の飲食店に対する「評価」はあまあまで、ほんの少しでも「これは!」と思うものがあれば、そこから絶賛していくタイプの人間である。でも、何というか今日のお店は、ぼやけすぎて取り付く島がなかった。誰もが認める非のうちどころのない美人なんだけど、人間的魅力に全く欠ける無個性な人に出会った感じ。私にとってはレア体験。とても珍しいので、記録のためにここに書き記しておく。
11月6日(日)

・日本酒
・お好み焼き
・コーヒー

夫が作ってくれた。ひさびさの家族団らんとなった。みんなでぱくぱくと食べました。

昨日のイタリアンについては、各方面からお叱りのことばをいただき、散財するわ、それほどおいしくはないわで、散々だった。たとえば、こういうときに限って「あなたどこ行っていたの?」と電話をかけてくる母からは、夫が不在のときに主婦が小さい子どもを連れて夜外出するなんてなんてこと、それにこの前気持ちを入れ替えて貯金に励むと宣言したばかりじゃないのと降る様な小言をもらいました。夫は、自分らだけで抜け駆けしておいしいものを食べようとするから罰があたったのだと、全く同情もしてくれない(当たり前か)。やはり、日本人(関西人?)はおしゃれなイタリアンなどではなくお好み焼きを食べるべきである。素直においしいから。

植物日記を更新。
11月7日(月)

・日本酒
・寄せ鍋+卵雑炊
・コーヒー
・抹茶プリン

コープの寄せ鍋スープを利用。「明日はこれとこれとこれ・・・を入れてね」と具材はすべて昨日夫が買い揃えてくれたので、何も考える必要がなかった。安きに流れるというのは、まさに今日みたいな日のことを言うのだなあ。鍋にさえすれば、家族全員が満足するのだもの。立冬にしては今日は暑過ぎたが、鍋の季節には感謝している。そして、鍋にもう飽き飽きした頃には、春がやってくるというお決まりの流れ。やはり、秋なのであろうか。普通に時間が流れていくことを確認するだけで、胸がいっぱいになってしまう今日この頃である。

帰宅途中の会社バスのなかで、信号待ちしていた際、ちょうど隣の車線の車を見下ろす形になったのだが、びっくりした。なんと、運転席の若いおねえさんが両手でカードゲームらしきものをしていたのである。信号が青に変わると、片手でゲームをしながら、片手運転。200メートルほど進んでカーブに差し掛かったところで、やおらミニスカートの上にカードを置いて、やっと両手でハンドルを握ったのである。 

あぶないではないか! 走る凶器め! 
本人以外の人間がそういう車の犠牲になることを少しでも想像するだけで、ぞっとする。やめろ。車を運転する資格なし。運転中は絶対ゲーム禁止。この点に関してだけは、取締り強化を希望する。
11月8日(火)

・日本酒
・ごはん
・たまねぎとわかめの味噌汁
・ぶり大根
・トマトとモツァレラチーズのサラダ
・納豆
・梅干
・コーヒー

昨日とは打って変わって朝晩冷え込んだので、急にぶり大根が欲しくなった。でもなぜか、トマトとモツァレラチーズのサラダも猛烈に欲しくなり、素直に欲望のまま、店では味わえない家庭ならではの組み合わせにしました。

昨日から今日にかけててきぱきと仕事をこなしている。プライベートでも懸案事項のひとつを解決した。それは、父の六一のお祝いに、夫婦水いらずの山陰旅行を予約したこと。山陰のカニを食べたいというリクエストもあり、松江の皆美館のカニコースに決めました。私もついて行きたいくらいである。実は、8月5日の日記にも登場しているOさんお勧めの宿。生活あっての研究だからねといつも後押ししてくださる強い味方。Oさん、ありがとうございます、毎度のことながら頼りにしています。
11月9日(水)

・白ワイン
・ごはん
・クリームシチュー
・水菜とプチトマトのサラダ
・コーヒー

今日は手作りホワイトソース入りクリームシチューがどうしても食べたかった。市販のルーもいいけど、クリームシチューはやっぱりホワイトソースを自分で作るに限る。ルーを割り入れるか、別鍋でソースを作るかどうかの差だけなので、気持ちに余裕のあるときは是非にでも。個人的には、ソースがもったりしてくるあの瞬間が、化学(ばけがく)って感じがしてたまらなく好き。多少だまが出来ても気にしない図太さも、必要だと思う。

今日の驚き。鶏肉に塩コショウをまぶして下味をつけている段階で、息子がつまみ食いをしたこと。幸い、つまみぐいした瞬間を目撃したので、急いで口のなかに手を入れて生肉の破片を取り出し、うがいをさせた。野獣だったら寄生虫の心配もいらないが、人間の子どもには鶏の生肉はちょっと怖い。

そういえば、保育園ではセンダックの絵本『かいじゅうたちのいるところ』がブレイクしていて、今日の園便りによると、どうやら息子は怪獣になりきっているらしい。「今日はお部屋で怪獣おどり! ピアノにあわせて右から左へ登場。ガオーと吠えたり、とーってもなりきっていたゆうくんでした!」と書かれてあった。さらにそういえば、昨日息子は掲示板に張られていたセンダックの絵のなかの、ある1匹の怪獣を指して、「これ、ゆうくんやで」とも主張していた。うちにもその絵本はあるが、暴れられるのが嫌なので読まないでいる。
2日分、まとめて更新!

11月10日(木)
・白ワイン
・ごはん
・野菜クリームスープ(昨日のクリームシチューの残り)
・馬刺し
・豆腐とトマトのサラダ、たまねぎドレッシング
・コーヒー

11月11日(金)
・日本酒・梅干(ピザを待つ間の晩酌)
・宅配ピザ&ミネストローネ
・プチトマト
・コーヒー

熊本のおばから、息子の七五三のお祝いに栗山牧場の馬刺しが贈られてきた。ここの馬刺しは最高においしい(注文tel:0964-28-3101)。肉類が全然だめで普段は魚しか口にしない母や従姉妹も栗山牧場の馬刺しなら食べられるのである。それくらいあっさりしていて、でも良質のたんぱく質ならではのこくもあり、一切の臭みのないきれいな味をしている。息子もこちらがどんなに訂正しようとも馬刺しのことを「おさかな」と呼び、刺身の類のなかで最も好んで私たちにおねだりする。

木、金と会社の研究発表会(オープンハウス)があった。研究所を外部の人に開放して、研究成果をみてもらおうという1年に一度の企画である。大学でいうとオープンキャンパスのようなものである。ひさびさに再会した人の出現や、所属研究室の初代のロボットMuuを開発された方とお話ができるなど、オープンハウスならではの出来事があった。

昨日は、会社のなかの他の研究所の人たちが何をしているか自分自身の情報収集にも力を入れた。これから先協力してくれそうな方々に一方的に熱いラブコールを送ってきたわけだが、完全な片思いに終わらず、その方々も私と組むことでなんらかのメリットがあるといいなあと思う。(というより、そうでないと協力してもらえないはずなので、自分に何ができるか真剣に考えないと。。)

今日は最初は自分の持ち場にほとんどいたが、途中から研究提案書の修正のことであたふたとした。敏腕秘書さんによって根本的なミスが発見され、今夜はこれから、それのつじつまあわせに労力を費やす予定である。余計な疲れをなるべくためないため、夕食のほうは宅配ピザに頼った。よくない傾向だとは思うけど、ゆうくん、おっかさんを許してちょうだい。なんせ月曜朝一の最終提出期限に間に合わせるためには、そうしないとだめだからだ。土曜午後からは京都で研究会があるし、日曜は息子の七五三で1日つぶれるので、明日の朝出社してプリントアウトや糊付け作業をおこなわないと間に合わない。

こんなことを書いてる暇があったら早く仕事に取り掛かれというひとりつっこみもしているのだが、こういうときはパニックを起こさず淡々粛々と仕事をしていかないといけないので、深呼吸をしながら自分を落ち着かせるために、これを書いている。夫の帰りはとても遅くなる模様。ふだん発揮することのない自己統制感を、今晩こそは。。
2日分、まとめて更新!

11月12日(土)
・日本酒
・ごはん
・豚汁
・プチトマト
・納豆
・梅干
・コーヒー
・シフォンケーキ

午前中会社でおこなった研究提案書の校正・プリントアウト・のり付け作業が 思ったより難航して、心臓がばくばくしていた。法学の先生に誘われて初めて参加する研究会に、いきなり大遅刻してひんしゅくをかうのはいやだったからだ。結局、見るに見かねた4人の人たちの助けで(感謝)、もうぎりのぎりぎりで電車に飛び乗ることができたが、こんな事態は本当にいや。

研究会の議題のひとつは、来年から改正される監獄法を諸問題について議論することだった。プロジェクトの中身自体はここでは触れないが、現状の問題について書いておく。私自身そのとき初めて知ったことばかりだったので、自分用の記録のために。

明治時代に作られた監獄法では、被収容者の更正をはかるため、国の公務員として教誨師(きょうかいし)という身分があったそうだ。お坊さんなど宗教家がその職を司っていた。戦後、憲法で信仰の自由が保証されることになると、公務員制度としての教誨師制度は廃止され、民間の篤志家として宗教家が実質的にその役割を担うことになる。これは、被収容者が特定の宗教を強要されることはなくなったことを意味する。例えば被収容者がクリスチャンであった場合、異教徒である仏教徒からおしえを無理矢理解かれるという不利益は軽減される。しかし一方で、被収容者が特定の宗教を信仰し、自らの精神の安寧のために信仰上必要な行為をする自由は完全に保証されているとはいえないらしい。

来年度からの法改正で、とくに後者の不利益がクローズアップされる恐れがあるそうだ。とくに、イスラム教徒たち。宗教教誨をおこなうためには国の認めた宗教教誨団体のなかにその宗派が加入していないといけないわけだが、そもそもイスラム教は入っていない。一般教誨の篤志面接員という別ルートを使うという最後の手段もなきにしもあらずだが、定義上、特定の宗教をおしえてはいけないことになっている。

いろんな意味でやるせない。頭がふらふらになりながら、帰宅。
夫のお手製の豚汁が待っていたときは、やはりうれしかったっす。

11月13日(日)
・日本酒
・ぶっかけうどん(温)
・梅干
・コーヒー

息子の七五三参りをした。奈良公園内の手向山八幡宮にて。保育園の同級生のお父さんから、地元の子たちは春日大社でなくて手向山八幡宮に行くよと教えてもらっていた。みんなまとめてという形ではなく、一家族ずつ、名前や生年月日をよみあげて、お祈りしてもらえてよかった。気持ちが新たに、引き締まりました。

その後、近くの写真館で写真を撮り、帰りしなデパートにより、中華を食べ、母の喜寿のお祝いとしてセーターを買った。帰宅後、昼寝(どころか、8時まで寝入ってしまった)。昼間中華をたっぷりとったので、夜はうどんで軽めに済ませた(夫婦のみ)。息子はそのまま朝まで就寝予定。
11月14日(月)

・日本酒
・鴨鍋+卵雑炊
・トマトとモツァレラチーズのサラダ
・コーヒー

夕方、私の頭のなかに、鴨がねぎをしょってやってきた。本当の話しである。さっそく保育園帰りに、コープで鴨を探した。思ったより高かったが、背に腹は変えられない。経済的理由により、お肉ほんの少しに、ねぎを中心とした野菜たっぷりの鍋にした。しかし鴨は偉大で、少量でも驚く程深みのあるだしがでる。家族全員が満足する味となった。

そしてもうひとつ、なぜかまたまたトマトとモツァレラチーズのサラダも食べたくなった。素直に一品作った。意外と鴨鍋に合った。我が家の当該サラダは、薄く輪切りにしてお上品に並べるスタイルではなく、まな板要らずの乱切りスタイルである。ボールを用意し、その上でトマトを好みの大きさの乱切りにし、チーズはトマトと同じ大きさになるよう手でちぎり、バジルも細かく手でちぎって、次々にボールに入れていく。オリーブオイル適量をまわし入れ、塩少々を加え混ぜて出来上がり。味がなじみやすいので、こっちのほうが私たちは好き。とりわけ息子は残ったトマトジュースも最後まで飲み干すほど大好き。
11月15日(火)

・日本酒
・牡蠣の土手鍋
・味噌煮込みうどん with しょうゆ生卵
・糸もずく
・大根の漬物
・コーヒー
・誕生日ケーキ(アンパンマン!)

今日は息子の3歳の誕生日である。保育園でもお誕生日会が開かれたようで、うちでも2重のおめでとうとなった。「ハッピバースデー、ツーユー(×2)。ハッピバースデー、ディアゆうくん。ハッピバースデー、ツーユー。おめでとう!!」と自分で自分の誕生日ソングを手をたたきながら何度か唱和した。

ケーキは息子の大好きなアンパンマンクッキーがどーんと乗っているものにした。子どもが生まれて自分自身が変わったことといえば、「キャラクターグッズ嫌い」が減ったことが挙げられる。息子が喜ぶならと、別に自分のこだわりを最優先することはなくなった。それにアンパンマンとケーキ屋&パン屋との相性は抜群で、とってもおいしそうに見えるのである。

この日記は、未来の息子へのラブレターのようなもの。最低でも絶対10年は続けるという固い意思を持っている。どういう形式になるか分からないが、13歳の思春期を迎えた息子にそっと手渡すつもりでいる。私の予想では、そのころちょっぴりぐれていて、でも幼い頃の様子を知り真人間の道を歩むようになるはずなのだ(笑)。

■22世紀まで生きて、親である私たちの見れない世界を見て欲しい。
■どんなに嫌なことがあってもやけにならず、冷静に自分の頭で生き残る方策を考えて欲しい。
■人から騙されたら、まあ仕方ないが、絶対に人を騙すようなことはしてはならない。
■とにかく自分を大切に。それが結果的に他人を大事にすることにつながれば言うことなし。

ゆうくん、上記4つのことは、これからも口を酸っぱくして小言をいい続けるけど、覚悟してね。
11月16日(水)

・ロゼワイン
・チキンカレーライス
・プチトマトときゅうりのサラダ
・ゆで卵
・コーヒー
・昨日の残りの誕生日ケーキ

仕事のうえでは全く生産性があがらなかった。今頃になって採択通知が届いた旧プロジェクト関連の英語論文の手直しに、どうしてもパッションをもって関われないのだ。自分の業績になるんだからともうひとりの自分が怠け者の自分に一生懸命言い聞かせているのだが。。この状態はスランプだと思うが、夫いわく、ただのわがままなのだそうだ。どっちでもいいや。せめて気分転換的にカレーでも作って、自分をなぐさめた。

ほんとうに久しぶりに大学時代のサークルの友人から連絡があった。昨日の彼女の夢のなかに私が出てきたそうだ。2年ぶりかな。資格をとって好きなことをやらせてもらえるようになって、ますます仕事がおもしろくなっているらしい。さぞかしお局様度も上がっていることだろうと思う。

こちらも近況報告がてら、このHPのアドレスを知らせた。まだ知らせてなかったのだ。好きになった、振られた、付き合った、別れたなどなど私の「青春秘話」のほとんどすべてを彼女には聞いてもらっている分、気恥ずかしさのほうが勝っていたからである。とことんだめだめなところを知られている分、この日記上で得々と持論をぶって話している私の姿は、うぷぷぷと笑いたくなるものに映ってるに違いないのだ。いいもんね、別に(大学時代にタイプスリップしてます)。
11月17日(木)

・カレーうどん
・昨日の残りのチキンカレーライス(少々)
・トマトときゅうりのサラダ
・ゆで卵
・大根の漬物
・コーヒー

超手抜き献立。食べすぎの感あり。しばらくカレーは、いらない。

七五三と誕生日のデジカメ写真を整理した。誘惑に負けて、息子の正面写真をゆうくんのページに載せた。誘拐を本気で心配する親ばかゆえ、今週末までという期間限定で。息子と二人でレストランに行きたくなる気持ちも理解してもらえるのではないだろうか。我が家のプリプリプリンス。ディア・マイ・サン!
11月18日(金)

・鴨肉だんごといわしのつみれのちゃんこ鍋
・卵雑炊
・コーヒー

すっかり寒くなった。真冬でも大丈夫なショートコートを着て、ちょうどいいくらいだった。つい最近まで半そでを着てたのに。ただ、会社ではいまだ半そでシャツを着ている外国人研究者もちらほら見かける。

夕飯は、超手抜き献立第2弾にした。肉だんごとつみれは、コープのお鍋コーナーにあったものを利用。ちゃんこ鍋スープも市販のものをそのまま流用。市販の鍋用スープは、味が必要以上に分かりやすく濃いのであまり頻繁に使いたくはないけど(←模範的意見)、楽をしたいという気持ち(←本音)のほうが今日は強かった。スープの味が濃い分、鴨といわしを合わせても全く問題なかった。予想はしてたけど。これってやっぱりいけないような気がする。。

友達からのメールで、前に私があげたことのあるハーブティーはどこで買えるのかおしえてという質問が届いた。関東に住んでいた頃に、花粉症対策としてがぶ飲み、愛飲していたテンドルマンの「はなのハーブティー」というお茶のことだ。数あるブレンドハーブティーのなかで、これが私にとってダントツ好みのすっきり味である。そういえば最近全然飲んでなかった。なぜかというと、関西に引越してきて花粉症のつらい症状が体感的には10分の1以下に減ったからだ。ちなみに妊娠中は全く症状がでなかった。体質改善でもしたのかなと、何も努力していないくせに楽観的に考えてたら、そうでもなかったということが今年の春に判明した。花粉症の季節に関東から出張でやってきたマスク着用研究者が、「ここらへんは全然いいよ。」と涙を流しながらお話してくれたからだ。西と東の花粉の、量的質的な違いが科学的には解明されているのだろうか。それとも、私の周りだけの集団的気のせいなのか。いずれにせよ、スギ花粉の時期の関東は個人的には鬼門である。最近では秋の花粉症の人もいるらしい。おそろしすぎる。
11月19日(土)

・長崎ちゃんぽん
・ぎょうざ
・コーヒー

昨日、無事に論文を提出したし、この週末はひさびさに気分的にゆっくりできてうれしい。
昼食夕食とも夫が作ってくれた。実家から郵パックで届いたちゃんぽん・皿うどんセットを利用した。昼間はうどん中心だったし、麺づいている。ずっと前にもこの日記に書いたが、ちゃんぽんには粗引き黒こしょうではなくS&Bとかから出ているテーブルコショウをかけるとすごくおいしくなる。

唐突だが、ここで緊縮財政宣言をする。昨日の家族会議で決定された。我が家は共稼ぎ世帯だが、それゆえに妻である私の姿勢に問題があったのだ。夫の収入はみんなもの、私の収入は私のものという意識がどこかにあった。アマゾンをはじめとするクレジットカードでのオンラインショッピングという制度がいけないなど、周囲のせいにしないことにする。締まりのないお金の使い方をしていたのだ。潔く罪を認める。

当然、緊縮財政策は夕食の献立にも適用される。ただし、献立のネーミングだけだと一見するとどこが緊縮財政なのか分からないかもしれない。具材の質や量は劣っても、堂々と「○○鍋」と記載するし、2000円のワインが500円のワインに変更になっても、堂々といままでどおり「赤ワイン」と記載することにするからだ。これがことばの力というものである。気分だけでも盛り立てていきたいのだ。おらが村自慢に限りなく近い、ハードボイルド的食卓自慢(やせがまん)を今まで以上に意識的に実践するつもりだ。

でも考えてみるに、この姿勢は我が家だけでなくて、「おふくろさん」たちは代々みんなやってきたことじゃないかな。うまいこと家計のやりくりをしながら、ちょっぴりお笑い系のテイストも交えながら豪華そうに見える工夫をこらして、「どうや、ほんまにおいしそうやろ」という姿勢で食卓に出していたはずである。

家庭の食事に関して質素ぶるのは、ある意味よそゆきで嫌味な感じさえする。奥様連中とのおつきあいのなかで仕方なく言っていることばならともかく、少なくとも家庭のなかで「こんなもんしかなくてごめんな」と真顔で親が子どもに言う状況というのは、私には戦争のにおいがして絶対にいや。子どもが飢えているというのを自覚しなければならない瞬間が自分にやってくることを想像するだけで、まっぴらごめんという気持ちになる。

(今現在において、飢えている人々がたくさんいるという事実は、頭のうえでは理解しているつもりだが、全く現実味がないのだ。でもだからといって、何も感じない、何も活動していないというわけではないが。。ただ、この問題についての私の考えはいまだふらふらしていて、「少なくとも現時点の私のスタンスはこれこれです」とちゃんと整理してお話できる段階にない。これ以上話し始めると堂々巡りの自己嫌悪に陥るだけなので、ずるいようだが括弧に入れさせてもらう。)

いつも思うことだが、食にまつわる話題は根源的なだけに、かえってあっけらかんとうそのない範囲で自分の体験を語っていくしかないんじゃないかなと思っている。小手先の小細工がきかない話題で、語る人の性格やら人格やらがどうしても出てしまうんだもん。かっこつけてもすぐばれちゃうので、私はそれを逆手にとって、かえってあっけらかんと「ええかっこしい」的発言をしようと思っている。本音丸出しはやっぱりどこかみっともないと思っているので。 ←だんだんこんがらがってきた。自分でもいったい何を言いたいのか分からなくなってきたぞ。

あ、ちょっと分かった。ようは、自分が他の人がつくるHPで見たい知りたいと思っていることを、他人が作るのを待つのではなく、まずは自分でやってみようじゃないかということだ。つまり、私は単純に他のお宅の夕飯はいったいどんなものが出されているのか、とっても興味がある。献立の組み立てに困った日に参考にさせてもらいたいHPを探しているのだ。また、時間の使い方が自分でも下手だと思うので、できれば、夕飯の準備から出来上がるまでの上手な時間の使い方について、いろいろ参考にさせてもらいたいと思っている。で、人にばっかり求めて自分が何も提供しないのはフェアじゃない気がして、自分のうちの夕食の内容を公開しているのだ。で、公開する以上は、普段だったらもっとひどすぎる手抜きするところを「人の目」があることでひかえている、つまりいい意味で「ええかっこしい」をしているのだ。で、さらにいえば、「ええかっこしい」で「やせがまん」している私の姿を、家族にちゃんと見てもらいたい認めてもらいたいということかな。ふふふ、これで息子へのラブレターという位置づけとのあいだでも整合性が取れた。ひとまずの自己満足でもって、おやすみなさい。
11月20日(日)

・白ワイン
・ポークステーキサンド
・ペンネ・ブルーチーズソース
・コーヒー

息子の七五三の写真の出来上がりをみに、道馬軒写真館へ再び出向いた。奈良公園にもっとも近く、なおかつ、聞くところによると日本で最も古い写真館のひとつである。期待はずれでないことを祈りつつ、出来上がりの写真を見る。ポーズをとらせられるのを照れた息子が見せた、かわいらしい少し上目使いの照れ笑いの写真が、表情としては一番気に入った。しかし、いかんせん、イレギュラーな写真である。正統派の硬い表情との写真のあいだで、しばし迷った。カメラマンのオジサマが対応してくれたのだが、その方の薦めもあって、結局もっとも気に入ったイレギュラーなほうの写真をプリントしてもらうことにした。「息子さんが大きくなったとき見返すことを考えたら、その子の持つ表情が一番出ているほうを選ぶのが、私はいいと思いますよ」と言ってくれたからだ。

そういえば昨日、今日と写真に関わっている。
道馬軒写真館に行く前に、奈良市写真美術館に出かけた。平城遷都1300年記念として、大和路を愛した土門拳・入江泰吉二人展が開かれており、どうしても見ておきたかったのだ。とってもおもしろかった。同じ仏像を写して、こうも全然違う写真を撮るのかーーーーと実感できた。凡庸な言い方だが、よくもわるくもきれいな入江泰吉とよくもわるくも汚い土門拳。帰宅後、写真集を見返してみたら、土門拳は印象が変わらないが、あんなに美術館で美しく見えた入江泰吉のほうは全然ぴんとこない。つまり、あくまで「写真家」である土門拳と「絵画」的要素の強い入江泰吉。12月25日までやっているので、お時間があれば是非見に行ってみて。

あとお笑いの要素もたくさんあったよ。土門拳のとる仏像写真にはたくさんうぷぷとなってしまった。これはある意味当たり前。でも、もっとも笑ってしまったのは、入江泰吉の東大寺法華堂月光菩薩立像の写真。凛としてやわらかい合掌姿を前にした息子が、自分もうやうやしく手を合わせ、「おかあさん、いただきますしてる」と大声で得意げに私におしえてくれたのだ。やられた。

そんなこんなで家族中興奮しており、夕食は簡単に済ませられるものにした。

昨日夫が撮った我が家の庭の花の写真をここにアップした。夫いわく、素人が目指せるのは、せいぜい入江泰吉風(もちろん、あくまで「風(ふう)」にとどまる)であって、土門拳の構図は思いつかないそうだ。
11月21日(月)

・アジの蒲焼どんぶり、炒めたわけぎ添え
・あさりの味噌汁
・水菜とひじきのサラダ
・納豆
・コーヒー

緊縮財政策はからだの贅肉も落とすことにもつながると思った、しみじみおいしい夕食となった。
たまたまつけていたテレビドラマのなかに、以前勤めていた大学のキャンパスがロケ地に選ばれていた。あの塔の9階に私の研究室はあった。12畳ほどの個室。そのスペースをまるまる一人で使っていた。今にして思えば全然リアリティがない生活だったな。感慨すらもわかない。もちろん大事な友人はできたことは別だが。
11月22日(火)

・ごはん
カゼ撃退鍋
・きゅうりとセロリと大豆のサラダ
・コーヒー

夫が風邪をひいてしまったようだ。最近寒いのが原因である。寝室のふとんがあまりに寒いと主張するので、なんでかと思ったら、実は夏の肌かけ仕様のあい布団を掛け布団にしていたのだった。私と息子は、毛布と併用したらそんなに寒くなかったけど、夫にはこたえていたみたい。冬用の分厚い掛け布団に変えたら、夫はもちろん私たちもぽかぽかあったかく眠りにつくことができました。それにしても、なんで「肌かけ」だと気付かなかったのだろう。てっきり私は冬の布団かと思い込んでいた。というより、なんで夫は肌かけだと気付いていながら、自分で変えようとしなかったのだろう。

夕食は、どんぴしゃの風邪撃退鍋にした。今日は、いつもの大根おろしポン酢と豆腐のほかに、水菜をプラスした。あたたまる、あたたまる。ただ量的に作りすぎた感あり。反省。

私は朝出社すると、まず最初に景気づけにお気に入りのサイトをいくつか見てから仕事を始める習慣がある。そういう意味でサイトは慎重に選んでいる。気持ちが落ち込んでしまうような記事を絶対書かない人のやっているサイトを厳選している。今日もいつもと同じく「いえーい」とのりのり気分で日課をこなしていた
のだが、

このHPにもリンクを張っている兄貴のブログ

を見て愕然とした。

大好きな兄貴が困っている。いつもふざけてばかりの兄貴がこんなことを書くのは、よほどのことである。正直予想もしていなかった。

私は募金はさりげなく自分のなかに留めてひそかにおこなうべきものと思っていたし、そうしてもきた。以前なら、このようなブログを読んだら自分のなかでうじうじとどうしようどうしようと悩んでいただけだが、最近はそのスタンスを捨てつつある。ここにも公表させてもらう。どうかご理解いただきたい。

そしてもうひとつ、大学院の先輩だったWさんのことを思い出した。Wさんは肝臓がわるく、一度学生のとき自分のお母さんから生体肝移植手術を受けたことがある。しかし、残念ながら数年たつとそれも相性が悪くなり、渡米して肝臓移植するしか生きる方法はなくなってしまった。急遽4千万円が必要となった。母親との肝移植で親戚の方々から集められるだけのお金を集めていたので、ご家族の資金は足りない。したがって友人一同が結束した。おもに弟さんや出身オーケストラ関係者の方々が中心となり、大学院関係者(私はここに入っている)もできるだけのことはした。

頭のいい人はプレスを利用して、新聞などで大きく報じてもらうなどした。こういうときこそ頭を使うべきだと思った。そういう頭がなかった私は、自己資金はたかがしれていたので、知り合いにどんどん募金をお願いした。善意のカツアゲをしているのではないかと疑う暇もなかったくらいに、誰彼かまわずである。後輩のお父さんに道で偶然会えば、お願いして、1万円札を寄付してもらったこともある。ふだんだったら絶対遠慮してもらわないが、このときばかりは「ありがとうございます!!」といって喜んでいただいた。とにかくお金が欲しかったからだ。

末端の人間たちもこのようにして動いたからだと思う、4000万円が予想以上に早く集まった。やればできるんだ、普段できないのはやらないだけなんだという気がした。ただし私の活動は個人的なゲリラ的やり方にとどまり、私の親族やおそらく当時のBFも公的活動としての街頭募金以外に、このような方法で私がお金を集めているのは知らなかったんじゃないかと思う。

さいわいにして、Wさんの手術は成功した。
ここに移植の経緯やWさん自身の日記などが載せられている。

手術後元気になったWさんは活動の幅を広げた。もちろん肝臓移植がらみ以外の文脈でも、ふつうの先輩後輩として喫茶店とかで話しこんだりした。私がほとんど一方的に研究スタンスに関わる持論をぎゃおぎゃおとしゃべるのを静かに聞いていてくださる感じだった。手術前も、日本の問題点、アメリカの問題点を淡々とした口調でおしえてもらっていた。アメリカの臓器提供者の多くは戦線でなくなった兵隊たちということもそのときWさんの口から知った。自分のことなのにいい意味でちゃんと距離をおいて落ち着いて話のできる、とても賢い人だった。

今年始め、本当に久しぶりにWさんからメールをもらったことがある。私が去年6月にいまの会社に就職したことをみんな(ML)に報告したメールに対する返信として。タイミングとしては一瞬あれと思ったが、とりとめて気にも留めなかった。「就職おめでとう、子どもも大きくなったのではないかな。活躍を祈る」という内容以外に、「今年の年末年始は体調を崩して入退院を繰り返して散々だったよ」という内容もあった。

あまりに軽いタッチの文体だったので、私はいつものようにおふざけメールを返信した。痛恨の極みである。アホである。Wさんはさよならを言いたかったのだ。なぜ気付かない、自分よ。生きているときにもう一度会いたかったのに。

以上のようなこともあって、私は絶対に長生きをして、Wさんたちが見たくても見れなかった世界を代わりに見てやろうと思っているのである。(いったい誰に向かって、何のために書いているのか分からなくなってきたので、止める。夕食とは直接関係ない今日の長い日記を最後まで読んでくださって、ありがとう。)
11月23日(水)

・白ワイン
・ミネストローネ
・ペペロンチーノ
・サルティンボッカ
・コーヒー
・チョコレートケーキ

日帰り東京出張に行っていたため、夕食は夫が作ってくれた。3時間も煮込んで、野菜がいい感じにくたくたになったスープも出てきた。休日のごちそうである。サルティンボッカのソースは、息子とふたりで最後皿をなめるようにして食べた。新型インフルエンザにかからないためにも体力をつけていないといけないよねと確認しながら食べた。

出張内容は、青年団・平田オリザの新作『砂と兵隊』を見に行って、最新動向調査をおこなうことだった。何も生み出さず、ずっと砂漠を行軍し続けなければならない兵士たちの不条理を描いた作品である。モチーフは、火野葦兵の『麦と兵隊』である。 いっておくが、れっきとした仕事である! 

公演パンフレットの平田オリザの前口上を一部引用する。
「『この戦争』ということではなく、できるかぎり普遍的な『戦場における人間の不条理』を描きたいと思っていたのだが、こうして作品ができあがってみると、『この戦争』を強く意識した作品に見えると多くの人に言われた。たぶんそれは、いま私たちの国が戦っている戦争が、とてつもなく不条理なものだからだろう。そうしてそれは、『麦と兵隊』の舞台となった日中戦争の泥沼の不条理と、おそらく重なるところがあり、だから、ここが最大の類似点と言えばそうなのかもしれない。いや、この泥沼は、言葉では『泥沼』だけれど、そこが、さらさらと乾ききった砂漠なだけになおさら始末が悪い。」

12月4日までやっているので、みなさんも是非時間をやりくりして見に行ってほしい。私は、青年団と平田オリザの「描写」方法はいまこの時代の「反戦運動」のなかで、時間がかかるが最も有効な方法だと思っている。帰宅後そのことを話していたら、夫いわく、「描写するだけでは何もならないじゃないかと批判があるうちは、青年団の方法はとてつもなく有効である。あれもいいやり方だった、戦争はむなしいと社会認識ができあがったときに初めて無効になる。早く無効になってほしい。」

ああ、そんなむずかしげなことを言うからだめなんだな。「観劇後楽しい食事にでも行きましょうというふうに盛り上がる気分にはなれないので初めてのデートにはお勧めできないが、それでも観てよかったねと話し合える人と出かけられたら、絆の深まりを認識できるはずだから、是非大切な人と観にいってね。」が、私の一番言いたかったことです。
11月24日(木)

・日本酒
・まぐろの漬け丼
・昨日の残りのミネストローネ
・卵焼き
・糸もずく
・コーヒー

まぐろの大特売日だったので、恒例の漬け丼にした。あまりに安いと果たして大丈夫かという別の不安もよぎるが、この際気にしないことにする。ミネストローネとの相性は思ったほど悪くない。やはり、洋風けんちん汁なのだな。ますます野菜がなじんで、おいしくなっていた。

息子は保育園から帰るとまず梅干を要求する。ほっておくと何個も食べるので、1日2個と決めている。もちろん塩分控えめのものにしている。さらに今日はコンビニで、コープで買い忘れたものを夫に調達してもらったときに、りんごでもオレンジでもグレープフルーツでもなく、野菜ジュースを所望したという。また食卓では、「母の味」をだそうとちょっと甘めの卵焼きを作ったのだが、全く気に入らず、代わりにすっぱいもずくを人の分まで食べるほど要求。

なんなんだろう、この辛党の味覚は。おしえているわけではない。私よりも確実に渋い食の選択だ。塩分控えめにしないといけないなど、今から大人向けの心配をしている。大きくなったらどうなるのかなあ。
11月25日(金)

・日本酒
・豚キムチ鍋
・卵雑炊
・コーヒー

私の豚キムチ鍋は、日中韓友好の証のような内容である。

(1)ベースとなるスープを作る。まず昆布だしをとる。そのスープに、にんにくとしょうがの薄切り各1片、豆板醤小さじ1,2程度、キムチを漬け汁ごと入れて混ぜる。火を消して、味見しながら日本の味噌を入れる。ちょっともの足りないかなという程度で止める。

(2)好みの豚キムチの具材を入れて煮る。豚バラ肉の薄切りは絶対に入れること。豆腐やニラも我が家では必需品。余力があれば牡蠣なども。

(3)具に火が通ったら、風味づけで味噌を適宜入れる。物足りなければ、キムチを付け足す。

味噌ラーメンのスープの、上澄みのような味がする。白ごまをふりかければ栄養度もアップするのではないかな。
それにしても、ニュースで知るだけの情報しか得ていないが、聞けば聞くほど、組織ぐるみの耐震強度偽造事件の話はひどすぎる。腹立たしい。自分たちが被害にあったらと思うとぞっとする。
11月26日(土)

・ごはん
・豆乳入りの白いチゲ
・かぶの漬物
・コーヒー

昨日の鍋があまりにおいしかったので、今日も韓国風チゲ鍋にした。ただし、豆乳で煮込むちょっと珍しいタイプ。『野菜いっぱい韓国ごはん』(李映林/文化出版局)p.39のレシピを見ながら忠実に作った。(以下、簡略レシピを引用するが、出典を示しているし、著作権法にひっかからないよね?)

(1)鍋にごま油とにんにくを入れ、熱し、香りが出たら、豚肉200グラムを酒大さじ1をふりかけ炒める。

(2)(1)に短冊切りにした大根(5,6センチ)と白菜(1/4株)を加えて手早く炒め合わせ、豆乳4カップをいれて中火で煮込む。

(3)まいたけ2パック、キムチ50グラム、絹こし豆腐1丁も加えて一煮立ちさせ、塩こしょうで調味し、香り付けにしょうゆを加える。好みでごまだれをかけていただく。

レシピにはごまだれの作り方も書かれていたが、私は手抜きして市販のごまだれにレモン汁をたっぷり加えたものを用意した。ベリーグッド!
『野菜いっぱい韓国ごはん』は大好きな料理本のひとつ。独身のころはパーティメニューとして見よう見真似でよく作っていた(韓流ブームがくる、もっと前である!)。現代的な韓国料理が紹介されている。もうひとつ大好きな本に、『きょうも、おいしかったね。キョンファさんちの朝鮮の味、家庭の味』(ジョン・キョンファ/主婦と生活社)がある。こちらも現代的で、この本のおかげでキムチとチーズたっぷりのポテトグラタンをいっしょに食べるとおいしいことを初めて知った。

昨日も今日も夫は仕事で帰りが遅い。ただし夫はどんなに帰りが遅くともうちでごはんを食べたいと思う人間なので、私も「思いっきり手抜き」をするわけにはいかない。今日は本当は私にも研究会が入っていたのだが、ダブルブッキング状態なので急遽キャンセルした。夫婦間のコミュニケーションを密にとっていないとやっぱりだめだ。

昼間は息子とふたりきりということもあり、家の目の前の広大な運動公園で3時間近く過ごすなど、少し羽を伸ばした感のある土曜日だった。一番羽を伸ばしたのは息子である。私の言うことを全然聞かない、わざと「いや」ばかり言う。母親に甘えたいがためというのは、頭では分かっているけど、かなりムカっとくる。「捨てちまおっか」とイケナイことも一瞬(×数度)頭をよぎるが、本当にそんなことをしたら息子本人よりも私がだめになるのは目に見えているので、思いとどまる。

青年団の新作『砂と兵隊』の感想文を書いて、演劇鑑賞のとこに載せた。論文には書けない感情面を中心にしたもの。こんなよた話を公表できるなんて、HPを始めてよかったなとつくづく思う。青年団の作品は、私にとって解毒(=毒がなくなる)というより、自分のなかの毒をちゃんと意識することでかえってすっきりするという効果がある。水曜の晩は夢のなかで、小春日和のぽかぽかとしたなかに「あったかいね」と言いながらまどろんでいた。布団を冬物に変えたという外在的理由も大きいが、いい夢であったことには違いない。
11月27日(日)

・赤ワイン
・バゲット
・ビーフシチュー
・シーザースサラダ
・コーヒー

11時近くに起床。昨日寝る時間が遅かったとはいえ、10時間も家族全員布団のなかにいたことになる。私は午前中チューリップの植え込みをする予定だったのに、周りで熟睡している二人を見て誘惑にまけて惰眠をむさぼってしまった。でも、「正しい休日」だったと思う。ゆったりとしたし、掃除&洗濯など、最低限のやるべきことはしたし。

息子が昼寝しているとき、シチューを煮込みながら、夫婦で宮崎駿の『ハウルの動く城』をDVDで見た。劇場版を見逃していたのだが、やっぱりきれいな風景の映像などはとくに劇場で見たかったな。ヨーロッパの田舎に1ヶ月ほど滞在したくなった。ただ、いまだに疑問なのは、なんでソフィーがあんなにもてもてなんだろうということ。夫は、なぜか「演劇が見たいー。自分だけずるいー。」と水曜に私だけ見に行ったことに対してぶつぶつ文句を言い始めた。

シーザースサラダのドレッシングは、市販のものを使わず手作りした。ドレッシングは如実に手作りした甲斐がある。市販されたものより断然わっかりやすくおいしくなってくれる。(揚げ物やスキヤキなどはうちで作るとがっかりすることが多いもの。。)
11月28日(月)

・日本酒
・ごはん
・大根とわかめの味噌汁
・ぶりの照り焼き
・じゃがいもの重ね焼き
・昨日の残りのビーフシチュー(ほんの少し)
・コーヒー

ぶりに脂がのり、おいしい季節になってきた。ビーフシチューの野菜がほんの少し残っていたので、ぶりとごはんと味噌汁の和風の皿のつなぎ役として、バターと塩コショウだけで味付けしたシンプルなじゃがいもの重ね焼きを合わせたみたら、相性がよかった。ただし息子は好きでなかったみたい。我が家でもっとも正統派の和食好きである。

近所の公園に露出系の不審者が出たという回覧板がまわってきた。小学生が被害にあったらしい。まだ息子は3歳なので外出時は親とべったりでも大丈夫だが、小学生になったら、四六時中ずっとくっついているわけにもいかないし。。けど、そんな先の心配をしている場合ではなく、とにかく今は、外出するときは息子から目を離さず用心していよう。
11月29日(火)

・青梗菜とアンチョビのスパゲティ
・バゲット
・キャベツとブロッコリーの蒸しサラダ、パルメジャーノチーズ乗せ
・トマトと豆とボストンレタスのサラダ、グリルチキン乗せ
・コーヒー

とにかく野菜をたっぷり食べたくなり、茹でる、蒸す、生のいろんな方法で調理した。満足。でも、そろそろまた鍋に戻ろうかな。微妙に生暖かい日が続いていたが、明日は寒くなるということだし。

仕事では、ミスというか、腰くだけのことを自分がしてしまった。のんびりしているのではなく、ぼさっとしているようなことを。。。。。恥ずかしい。ミスした分を急いで取り戻さないと。いわゆる「不正」ではないけど、後味が悪い。

今日はこれでおやすみなさいと言えないのが、とほほだ。息子を寝かせつけてから、仕事に戻る。
11月30日(水)

・日本酒
・魚介のちゃんこ鍋
・納豆
・卵雑炊
・コーヒー
・プリン

昨日よりぐっと冷えた。でも、まだ冬って感じがしない。寒いのが苦手なくせに、頬がぴりっとなるほど冷たい空気のなかをちゃかちゃか歩いていって、いつのまにか寒さを感じなくなっていく時間は好きなので、まだまだ物足りない気がしている。

はまぐりが思いのほか安かったので、はまぐり中心のちゃんこ鍋にした。日本食研の「野菜がおいしいちゃんこ鍋スープ(みそ味)」を利用したが、これまで利用した市販のスープのなかでもっとも具材のだしを引き出してくれたと思う。必要以上にしょっぱくなく、ねぎや白菜の甘いだしとはまぐりのだしがちゃんと効いていた。今度はしょうゆ味も試してみよう。

息子の一時保育でお世話になっていた保育園の園長先生が突然人事交替したせいで、園の方針が劇的に変わり、送迎サービスや夜間保育サービスがなくなってしまった。これらのサービスが受けられないと、たまにどうしても抜けられない用事ができたとき、共働きで親元を離れた核家族はとにかく無茶苦茶困るのだ。いそいで次のところを探していたのだが、今朝新しいところが見つかった。いわゆる無認可の民間保育園だが、やさしそうな人のよさそうな園長先生がやってらして、ほっとした。よかった、よかった。